王者の地位と貧者の食事
徳川家康は、天下取りの秘訣は「身の程を知ること」と言った。
身の程を知るとは、言い換えれば「慎む」と言うことだ。つまり家康は、「身を慎め」と言ったのだ。
ただ、家康は「何を慎め」とは言わなかった。
何でも良いのである。放縦に振舞いたいという心を押さえ、自らに制約を課せば、その制約に倍する力を神は与えるものだ。
何か1つ心に決めた徳を生涯続ければ、それなりの成功は確実である。
例えば、「脱いだ靴をきちんと揃える」でも良い。閻魔様の前に出て、「どんな良いことをしたか?」と閻魔様に問われたら、「必ず靴は揃えた」と言えば良い。
1つのことで厳しく慎む者は、全てに慎むようになる。
家康はなぜ天下を取れたかというと、最も重要なものを慎んだからだ。それは食である。家康は、伊達政宗などにもよく語っている。「美味いものには気をつけろ」と。家康自身は美食を徹底して遠ざけ、庶民のような食事をしたのだ。政宗は美食家だった。
ところで、私も1日1食で、その1食も非常に質素・少量にすると、アンパン1つが大変なご馳走であることに気付く。ただ、食べたいとは思うが、アンパンを食べることはもうあるまい。
私は、名前の付いた料理は、富豪にでもならない限り食べないだろう。最近、テレビで、簡単に作れる美味しい料理の紹介で、ジャガイモとベーコンとバターなどを材料にオーブンで焼いた料理を見たが、非常に美味しそうであった。しかし、これは私には分を超えた料理であり、成功でもしない限り決して食べることはないだろう。
水野南北は言った。美食は高位の者の食事である。下位のものでありながら美食するものは、天の徳を使ってしまい、成功することはないだろうと。そして、家康のように、高位の者でありながら粗食する者はどこまでも成功し天下を取る。
南北の書を読み、家康の「身の程を知る」の最も正しい意味は貧者の食事をすることであると分かった。
もちろん、成功者にも美食家はいる。しかし、それはどうでも良い。彼らは非常に悲惨な状態にならざるを得ないのである。
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Comments
靴をそろえる、なんか昔やってましたが、いつの間にやら。
挫折する天才です。(笑
小食は、昨日は間食があった分3食ですが、あまり食いたいというものはないので小食自体は大丈夫そうです。(その前はそば2食だったり…
まあ、腐らせたりしたらもったいないというのがあるので、せっかくの命を無駄にするよりかは食べて役立ってもらおうかと思ってます。(汗
それでも親の買ってくる菓子パンはだめにしたりしてますが…。
皮膚は、気合でかきむしりすぎないようにおさえるほうがよさそうですね。(なくすのは無理だけど半減ぐらいには…
Posted by: hideto | 2008.09.14 11:47 AM
★hidetoさん
水野南北も著書に書いてましたが、無駄に食べるくらいなら捨てた方が良いようです。私もそう思います。もったいないと理由をつけて食べると、それを言い訳に食べるようになります。
捨ててもったいないと思ったら、もう買わなくなります。
菓子パンを無駄にしても、短期間のことですから気にすることはありません。
私の親も、頼みもしないのにいろいろ食べ物を買ってきますが、断固食べないでいると、やがて諦めてくれました。
Posted by: Kay | 2008.09.14 08:31 PM
1、例外を作らない。
2、余計なものをもらわないため。
この2つが重要だから残すほうがいいのですかー。
お菓子はそうしますか。
食事に行ったときは2は意味を成さないから、食べたほうがいいのかな?
宗教とかだったら、神様に心の中で献上するだけで十分そうですが…。
Posted by: hideto | 2008.09.14 10:19 PM
★hidetoさん
>食事に行ったときは2は意味を成さないから、食べたほうがいいのかな?
食べない方が良いですね。
私は、付き合いで食事に行くとき、「私は食べないけど、飲み物だけで付き合うが良いか?」と聞き、了解を得られたら行きます。
1人なら、食事に行く意味がないので行きません。
宗教のことは知りませんが、食べずに心で献ずれば良いです。
Posted by: Kay | 2008.09.14 11:10 PM