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2008.08.22

誤解するのが人間か

アメリカのSFテレビドラマ「宇宙大作戦」をご存知だろうか?1966年に開始されたという古いものであるが、後に原題の「スタートレック」のタイトルで映画も数多く製作され、「スターウォーズ」と比較されることもよくあった。
テレビシリーズの俳優による映画の最終作品は1991年である。
バルカン星人のミスター・スポックはカーク船長を凌ぐほどの人気キャラで、彼の決まり文句“to error is human”は、1つの確実な真理であり、いろいろな場所で引用される。

カーク船長の宇宙船USSエンタープライズ号の乗組員は、ある意味、カーク船長より優秀だ。特にミスター・スポックの知能、知識は最高である。カークの親友ドクター・マッコイは医師で、チャーリー・スコットは有能な技師だ。カークは、コンピュータに「役立たず」のように扱われたこともある。
もちろん、カークは船長としてのリーダーシップがあり勇敢だ。だが、決して欠点のない完璧な人間ではなく、むしろ人間的欠点は多い。
それでも、スポック始め、乗組員達はカークこそリーダーであると完全に認めている。

私がカークにいつも驚愕するのは、その説得力だ。テレビドラマの最後が、カークの熱弁シーンになることがよくある。宇宙人達と敵対し、危機的状況に追い詰められたところで、カークは熱弁を奮い、相手の宇宙人を説得し始める。宇宙人達は、最初は冷ややかな対応をするが、やがてカークの言葉に対してわずかな戸惑いの色が浮かぶ。カークはさらに熱い言葉を浴びせるが、それは視聴者である我々の心を動かす。相手の宇宙人はやがて冷静さを失い動揺を見せる。後一歩だ。カークのトドメの言葉が炸裂する。武力や科学力で負けても、カークの信念に満ちた熱弁で勝利する。ああ恐ろしい(笑)。

視聴者はこれを見て、信念ある言葉の威力に感動する。
しかし・・・。
現実はどうであろう。
例えば、北朝鮮との対話を見て分かるように、まともな言葉がまるで通じない相手に対しては、いかなる熱弁や理路整然たる説得も空回りする。
いま流行りのモンスター・ペアレントや、その類の非常識な人間にまともに挑んでもほとんど意味がない。
そして、世の中には、そのようなことだらけなのである。
同じ会社の中の、近しい人間相手でも、ごく簡単な理屈がさっぱり通じないことは少なくない。これは、相手に根本的な知識や理解力が欠けている場合や、相手がこちらの話に納得することで劣等感を感じるような場合に多い。あるいは、その両方が重なることもあり、その場合は実に悲惨だ。

思想家の吉本隆明氏は、その名著「共同幻想論」に対する的外れな批判に対し、「馬鹿に付ける薬はない」と言うしかなかったのだと思う。
「共同幻想論」は、はっきりいって誰にでも理解できるものではない。理解力のない者が、自分の力量の範囲内で無理に理解すると、とんでもない誤解をして当然だ。
心理学者の岸田秀氏の「唯幻論」は、吉本氏の共同幻想論と少し似ているが、こちらは非常に単純で誰にでも理解できる・・・と思うが、これすら誤解する者も少なくはない。ましてや共同幻想論となると全く歯が立たなくても仕方があるまい。
スポックは“to error is human”と言ったが、私は“to misunderstand is human”と言いたいくらいだ。
岡本太郎さんは「誤解されてもいいじゃないか」と達観していた。そして、実際、誤解された。我々もそうありたいし、それと、人を誤解しないようにしたい。理解できないなら勝手に決め付けないことだ。

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Comments

決めつける。
経験から決め付けに走るが、それを信用するなっていうのは難しい。体験した事が真実なのだ。
それが嘘であっても。
何が真実で何が嘘なのか。突き詰めると分からなくなる。でも俺は自分の体験した事を信じたい。

Posted by: minami | 2008.08.23 at 09:22 AM

多分物事全て、真偽が表裏一体なのかも知れません。
その中で重要なのは、信じるってことですかね?
だから、答えはその人の中にあって、他の人とは違うかも。
信念を持ってる人にパワーがあるのはこういうことかな?
ない人はパワーがなくて、批判に回ります。(汗
あと、状況によっても変わってくるのでややこしいですね。
本に関しては、誰かの言葉ですが、理解できるように書くのがいい著者だ、みたいな言葉もあったりで…。

あ、例のあれは、自分が購入したのではなく、親が購入したのをなんとなく使ってたら好転反応でちゃったという感じですので、フラットな感じです。
あと最近思えてきたのは、自己信頼残高が低いと引き寄せの法則が逆に働く??
TODOをNot-TODOに、優先順位を逆に書く時間管理法が効果的かも知れません。(滝汗
そしてこれも、真偽のほどはわかりませんが…一般的にまずは自己信頼残高を高めるのが一歩ではあると思います。

Posted by: hideto | 2008.08.23 at 11:16 AM

★minamiさん
自分の体験のみを本当に信じるというのは、間違いなく素晴らしい心構えだと思います。
テレビや新聞や教師や権威ある本や医者の言うことを調べもせず信じる人が多いですからね。


★hidetoさん
信念もまた、タダでは得られないものでしょうね。
自己信頼残高とは面白い言葉ですね。
逆と言って良いかもしれませんが、恐れていることが実現しやすくなるということでしょうか。
その自己信頼残高は高める必要がありますね。少食で(笑。一種の信念^^;)。

Posted by: Kay | 2008.08.23 at 12:27 PM

自己信頼残高、ふと見返したら7つの習慣だと思ってたのですが、7つの習慣ティーンズでした(^^;
第一の習慣の前に置かれてるのがキーだと思います。
コールド・リーディングで有名な石井裕之さんの本で最初は靴そろえとかを1ヶ月間とか守ってやり遂げるみたいな話があったのと一緒に思い出して、これが重要かなと思いました。
そういう1つの決め事を守るということ自体が、信念かなーとも思います。

残高が低い場合、逆を行くのもあり、なんちゃって。
マイナスのマイナスはプラス的な…。
宣言して破るという習慣を利用して、やらないという宣言をして破る、とか。(笑
残高を増やすのが手っ取り早いわけですが…。
ちなみに、宣言を破る習慣=引き寄せの法則の逆パターンかなと思ったり。(具体的じゃない目標はOKですが、具体化すると破るプロセスへ…

Posted by: hideto | 2008.08.23 at 06:09 PM

相変わらず、素晴らしい文章をお書きになりますね。

>まともな言葉がまるで通じない相手に対しては、いかなる熱弁や理路整然たる説得も空回りする。

>同じ会社の中の、近しい人間相手でも、ごく簡単な理屈がさっぱり通じないことは少なくない。これは、相手に根本的な知識や理解力が欠けている場合や、相手がこちらの話に納得することで劣等感を感じるような場合に多い。

御尤もです。お互い同じような経験をされたことがあるのでしょうね。こちらが誠意を持って受け答えしてあげても、相手は恩をあだで返してきますから。困ったものです。

>理解力のない者が、自分の力量の範囲内で無理に理解すると、とんでもない誤解をして当然だ。

そうですね。例えば、疑似科学批判にしても、現代の科学水準では解明できないものは必然的に疑似科学扱いにされてしまうし。
擬似科学扱いされていたものが、一万年後の科学水準でやっと証明される者だってあるでしょう。

Posted by: フジイ | 2008.08.23 at 09:58 PM

★hidetoさん
7つの習慣は読んだことがありません。
コールド・リーディングは聞いたことがあるような気はするのですが、全く分かりません。
私は、マイナス思考というのも結構好きなんです。例えば、何をやるにも最悪の結果を想定するとかですね。彼女ができても、俺なんか絶対フレれると決め付けるなどです^^;
古い歌の「勝つと思うな、思えば負けよ」です。


★フジイさん
嫌でも、意見の合わない連中と付き合わずに済む方法はないのだなと思うことがあります。
自分が、相手をアホだと思っていても、向こうも私をきっとそうだと思ってますし、ではいったいどっちが上かというと、なかなか難しい^^;
自分が正しいとか、自分が上だとか思わないのが最上と考えています。実際、そうでないことが後で分かったこともありますしね(笑)。
いかに相手がひどいと思っても、優劣判断をしても得られるものは何もないのではと思います。実践は難しいですが^^;

Posted by: Kay | 2008.08.23 at 10:11 PM

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