夏休みの終わり
私は、毎年、夏の間に必ず観るDVDが2つある。
1つは、劇場版(映画)アニメ「アキハバラ電脳組~2011年の夏休み~」だ。
このアニメのテレビシリーズは1998年に放送開始された。2010年という「少し未来」のお話ということであったが、もうすぐその年である。劇場版の公開は1999年だ。
このアニメは、アニマ・ムンディという5人の少女達が主役で、彼女達がアキハバラ電脳組である。彼女達はテレビシリーズ時が中学1年生で、劇場版では中学2年生になっている。
アニマ・ムンディとは、オカルト用語であり、イェイツの詩にも出てくるくらいであるが、このアニメでは、より進化した新しい人類のことである。たが、普通には他の人との違いは特になく、精神の純粋さの問題である。
劇場版で、アニマ・ムンディの少女は、命をかけるような大問題にさえ簡単に決断をしてしまう、ある種の軽さがある。それはもしかしたら軽挙妄動かもしれないが、自分のための決断ではない。そして、彼女達は、その気楽に見える決断で、何が待ち受けているか分からない宇宙に初めて飛び出す。
夜の学校で花火をした後、一人が「行こう」と言い、一人が「うん」と答える。たったそれだけが合図だった。
宇宙に飛ぶには、アニマ・ムンディの5人のうち3人はやったことがない霊気融合という現象を起さないといけない。それは不可能と思われた。しかし、一人が「できるよ。大丈夫」と言うと、皆それを信じた。
そして、5人の少女達の印象的で美しい霊気融合のシーン。5人はディーバ(女神)となり、空に舞う。
奥井雅美さんが、この映画のために作った2曲が素晴らしい。
もう1つは、ガイナックスのアニメ「まほろまてぃっく」の第5話「8ノ634ハ元気デス」だ。
このアニメは外宇宙の侵略者と戦うSFであり、ヒロインのまほろはアンドロイドであるが、彼女の正体を知る者の誰も、彼女をアンドロイド扱いしない。
夏に相応しく、このアニメシリーズ唯一の怪談であるが、これが実に良いのだ。
少年の幽霊と少女の幽霊は、本当は、生きている時、放課後の教室で逢い、少女が少年に告白するはずだった。
2人の幽霊は、別々に同じことを言う。
「ねえ、何か心残りなことがあって、その場を離れられなくなることってない?」
幽霊がこの世に存在する理由の全ては、このセリフに現れていると言って良い。
プールから離れらない少年の幽霊を、なんと、まほろさんはひっつかんで飛ぶ。少女の幽霊がいる教室に。
言いかけるが、恥ずかしがって告白できない少女の幽霊に、少年の幽霊は手を差し出し「帰ろう」と言う。2人は光となって舞い上がっていった。
今年も、この2つを観終わった。
「2011年の夏休み」のヒロイン、ひばりの最後のセリフが浮かぶ。
「私達の夏休みが終わります」
私の夏休みも終わった。
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Comments
「アキハバラ電脳組」今度見てみます。
「まほろまてぃっく」の川澄さんの声は魅力的。
いろんなアニメで担当しても違和感感じません。
先日、紹介されていた「時をかける少女」のエンドロールで流れる
奥華子さんの主題歌「ガーネット」もすごく良かったです。
アマゾンのレビューによると「彼女は「時かけ」の絵コンテを繰り返し読んで、
作品の空気感をつかんでいったらしい」とのことです。
DVDを借りてみて、「時をかける少女」のBD買いました。
Posted by: market_3e | 2008.08.18 11:54 PM
★market_3eさん
をを!「アキハバラ電脳組」を見られるとはお目が高い!
私も、第20話「羽ひらくとき」を見て泣かねば(笑)。「つばめちゃ~ん!!!」
川澄さんは本当に良い声優さんですね。
吉田一美やアンリエッタのような控えめな声が愛らしいですが、「神無月の巫女」の千歌音ちゃんのお嬢様振りにはやられました。
歌も上手いと思うのですが、反対意見もありそうだ(笑)。
「ガーネット」良いですね。さわりの部分を少し聴いただけで心奪われました。
900円なので、何か600円以上のものとセットでないと、Amazonでは送料が無料になりません、では、「時をかける少女」のコミックスと・・・ってまだ33円足りん!!(笑)
Posted by: Kay | 2008.08.19 09:59 PM