« 生きるチカラ | Main | 美という幻想 »

2008.07.01

アミュレットのススメ

人間は本質的にお守り好きである。これは、日本人も、それ以外の外国人も変わりない。
芸術は、もともと宗教の下僕として始まったと言ったのは英国の作家コリン・ウィルソンであるが、宗教は、人間を日常とは異なる意識状態に導く目的がある。その効果を高めるために、祭壇や礼拝堂の壁などを、荘厳に、あるいは絢爛に装飾するための芸術が発達することとなったと思う。また司祭はもちろん、一般の人も儀式用に特別の衣装を纏うようになり、服飾の芸術も発達したと思う。
それと共に、宗教では、各種グッズもいろいろに工夫されてきた。実用というよりは祭礼用の華麗な剣や、豪華な装飾の聖杯などがあるが、キリスト教では、十字架の付いたネックレスであるロザリオが代表的なものであろう。
そして、宗教的なグッズには、呪術的な意味を持つものが多く考案されるようになった。超自然的な力を発揮するために使うものもあるし、逆に悪魔などの超自然な存在から身を守る魔よけなどである。
十字架にもともと魔よけの意味があったのかどうかは疑問であるが、バンパネラ(吸血鬼)対策には十字架が良いというのはほぼ定説みたいなものである。
(萩尾望都さんの、バンパネラの一族を描いた名作漫画「ポーの一族」では、バンパネラの美少女メリーベルは「あれに込められた信仰が恐いの」と言っていたが、なるほどと思った)
岡本太郎は、古代民族が残した、宗教的、あるいは、呪術的な各種グッズを非常に興味深く考えていたし、その芸術的価値を認めていたと思う。そして、やはり、芸術のそもそもの根源がそこ(宗教や呪術)にあると考えていたようにも思われた。
池田満寿夫さんは、非常に独特な解釈と思うが、ピカソの絵画は魔よけのために描かれたのではないかという論を著書で展開していた。現代の高名な芸術家も、呪術的グッズを求めていたというわけであろうか。

さて、人は誰もお守り好きという話に戻るが、誰の心にも不安があり、その不安は、何か分からぬが我々に災いする力には、人間としての自分の力だけで対抗できるとは限らないものもあると感じているからで、人間は何かにすがらないと、心が落ち着かず、生きていけないものかもしれない。
天才画家ダリは、常にある木片を持っていた。そして、それがなくなったと思った時には、哀れなほど取り乱したという。自分を神と言いかねない超自信家ダリですらそうであったとは面白い話である。

「美少女戦士セーラームーン」は武内直子さんが23歳で描き始めた歴史的漫画・アニメ作品であるが、実は宗教的と言えるお話であり、それもこの作品が大ヒットした原因ではと思う。原作とは異なるアニメの話であるが、セーラー戦士達は、世界を救うための3つのタリズマンを探すが、タリズマンとはお守りとしての宗教的宝具である。3つのタリズマンである、鏡、玉、剣が揃った時、聖杯が出現し、セーラームーンはその力でパワーアップする。しかし、聖杯の力を十分に引き出せなかったセーラームーンはメシア(救世主)ではないと見なされ、年長の3人のセーラー戦士達は別のメシアを探しに行く。だが、この3人は最後に、真のメシアに対する自分達の思い違いを知ることとなる。無限の力を発揮する万能のスーパーマンがこの世のメシアではなかったのだ。彼女達は、セーラームーンを真のメシアと認め、礼拝を捧げた後、姿を消す。
原作でも、同じ部分のお話で、小学6年生の病弱な美少女である土萠ほたるは、幼い頃からアミュレットというものを持っていた。アミュレットもまたお守りであるが魔よけの意味が強い。身体が弱く、度々発作に襲われるほたるはアミュレットの助けが必要だった。発作の回数が増え、アミュレットが効果を発揮しなくなるが、セーラームーンこと月野うさぎの娘で、ほたるの美しさに憧れるちびうさが、自分のアミュレットである「幻の銀水晶」に触れさせると、ほたるは一時回復する。ほたるは、ちびうさに、自分のアミュレットをむやみに人に見せないよう警告する。(アニメでは、ほたるは自分の家で発作を起した際、ちびうさと共に来ていたうさぎの幻の銀水晶を組み込んだコンパクトに触れ、気分が良くなるのを感じる)
尚、原作者の武内直子氏は、この土萠ほたるの正体であるセーラーサターンを「メシアの一人」とし、セーラームーンこと、プリンセス・セレニティーを「もう一人のメシア」とするなど、対等の扱いをしていたところが、サターン萌えである私には嬉しく(笑)、また興味深い。
余談であった(をい)。

鉱物(天然宝石等含)ファンも多いと思うが、やはりアミュレットの意味で愛好する人も少なくないのではと思うし、鉱物の神秘的効果を謳う本もよく見るが、これにも人々が何か不可思議な力に望みをかける様子がうかがえる。

私は、小学2年生の時、友達に教えられてタリズマンを自作し、常に持ち歩いた。ポケットの中でボロボロになってくると、さらに有り難味が増したものである。効き目云々より、心の支えになるものと思う。人間は、やはりそのようなものであるのかもしれない。
そう思えば、ダリを笑うこともできないと思う。
最初にあげた英国の作家ウィルソンも水晶片を持ち歩いていたらしい(今は知らないが)。
そういえば、私はヒランヤ(ご存知?)を持ち歩いていたこともあった。私は、かなりの引きこもりであるが(ひきこもり自体は治らない)、精神的に弱く、このようなものも必要であったかもしれない。
誰だって、アミュレットを持って良いと思う。人間って、それが向いていると思うからだ。
そして、何をアミュレットにするかは、自分の好みだけで決めて良い。他者の決めた価値などどうでも良いことである。「霊験あらたか」とか言う宗教団体のものをアミュレットにしていると、そこの教祖が詐欺で逮捕された時、嫌であろう(笑)。

W_sv

これは、スイスのウェンガー社のナイフ、スーベニールだ。
同じスイスのビクトリノックス社にスーベニアという、ほとんど同じナイフがある。
大刃と小刃の二つのブレードが付いていて、大刃でも60mmなので、持ち歩いても銃刀法に触れない(軽犯罪法で警察に難癖を付けられる可能性はある)。
とても美しく、洒落ていると思う。
女性で世界初の七大陸最高峰に登頂し、エベレストにも女性で初めて登頂成功した登山家の田部井淳子氏は、別にタリスマンの意味ではないが、登山時にはこのナイフを常に丈夫な紐をつけて首から下げているらしい。夜寝るときも離さない。寝ている時、雪崩に遭い、テントを切って脱出する時にナイフを探していては間に合わないからだそうだ。
この写真の、スーベニールにつけた紐はパラシュートロープで実に丈夫だ。
なんとなく、アミュレットに良い感じではないだろうか?
このように、アミュレットは、自分が良いと思えば何でも良いと思う。
さて、私もこれを首から下げたまま寝てみた。安眠できた(笑)。度を過ぎなければ、人はアミュレットを支えにするのも良い。

↓よろしければいずれか(できれば両方)クリック願います。人気投票です。
人気blogランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ

|

« 生きるチカラ | Main | 美という幻想 »

Comments

好きな子にもらった合格祈願のお守りが最強ってことですね。(笑
もらったことないのですが…orz

クリスタルはたしか、パワーストーンでもかなりいいみたいですねー。
ナイフは今の時期どうなんでしょう?
実用性はあるかも知れませんが、あるほうがいいかな?

ツイてるシールとか特定の教えに関連付けると、教えをの内容をアンカリングして、それをトリガーにして考え方をリセットできる、かも知れません。(笑

Posted by: hideto | 2008.07.02 at 06:23 PM

好きな子にもらったものなら、同時に宝物です(笑)。
私は、中学1年の時、隣の席の超美少女に定規を貰いました!もちろん、今も持ってます。清純で可憐なコでした。ワイセツなことは何もしてません(中1だし・・・)。
ナイフは、好き嫌いです。私は大好きで沢山持ってます。今日も1つ届きました(笑)。一人さんの本にも、いろいろついてますね(笑)。

Posted by: Kay | 2008.07.02 at 10:00 PM

確かにお守りは何時も欲しいとは思います。

でも自分は何か一つの物にあまり強い思いを
持たせることが苦手で、

と言うよりも意識的にしている節が在って。
でもそのナイフ好いですね。

Posted by: k | 2008.07.03 at 10:37 AM

タンザナイトの指輪をいつも左手の中指につけてます
宇宙の叡智を呼び込むことが出来るそうですcoldsweats01フッフッフ
タンザナイト 別名ゾイサイト
セーラームーンではダークキングダムの四天王のひとりでしたね!悲劇的な最後でしたが・・・weep

セーラームーンシリーズは 私と娘達の子育て史の中で一時代を築いたすばらしい作品ですscissors
娘達もheart01の奥深くで うさぎちゃんからもらったスターシードを大事に育てているんじゃないかなぁ♪

Posted by: ほのか | 2008.07.03 at 05:19 PM

★kさん
特に強い思いを持たせる必要もないと思いますよ。
まあ、ダリのように、極端な思いを持つタイプが珍しいと思います。
このナイフ、1800円くらいです。よく切れますし、とてもよく出来ています。

★ほのかさん
タンザイト・・・珍しい石ですが綺麗ですね。
ゾイサイト・・・ふっふっふ。アメリカでは、ゾイサイトは女であるという設定に変えられています。男同士というのは、日本では不問ですが、アメリカではお子様に見せてはいけないのだそうな^^;
はるかさんも、「敵の目を欺くため、わざと男装」というややこしい設定に変えられています。
ネフライトが良かったです。そして、ただの人間でありながら、ネフライトへの愛で超人的パワーを発揮したなるちゃんに感激。
「チョコパフェ、好き?」
「・・・好きだ!」
「嘘ばっかり」
なるちゃんとネフライトのこの会話が好きです。
ほのかさんの娘さんも、真のスターシードの持ち主に成長しているのですね^^

Posted by: Kay | 2008.07.03 at 10:27 PM

ほんと、人間ってお守りが好きですね。
ただ、お守りの怖いところは好まない現象を引き
寄せる可能性が大きくなるってことですね。
好ましくない現象を避ける為のお守りが、好ましく
ない現象を引き寄せることになるなんて皮肉ですね。

Posted by: クマ | 2008.07.06 at 08:20 AM

★クマさん
好ましいもの、好ましくないもの、何でも来たれです(笑)。
俺がこの胸で受けてやる・・・チャンチャン♪(笑)
お守りとの付き合い方は、なるほど重要かもしれません。
頼りすぎても駄目ですね。
良い恋人と同じで、別に「支えになってくれ」とか思わず、何となく大事に思う・・・程度で良いかもしれません。

Posted by: Kay | 2008.07.06 at 02:59 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/3170/41700114

Listed below are links to weblogs that reference アミュレットのススメ:

« 生きるチカラ | Main | 美という幻想 »