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2008.07.21

「時をかける少女」マニアの秘密

昨夜、HDD録画しておいたアニメ映画「時をかける少女」を観た。
HDD録画できるデジタルテレビを買ってしばらく経つが、滅多にHDD録画なんてしない。しかし、昔のビデオ録画と比べると、やはりすごい進歩だ。

こんな名作とは思わなかった。
実は、私はこのアニメ映画に抵抗があり、観ようとしなかった。宣伝映像でよく見る、しっかりと伸びきった女子高生が、笑顔で飛び出す姿があまり好きではなかった。私はもっとおとなしそうな、純情そうな少女が好きなのだ(笑)。
いや、単に趣味の問題ではなく、私は小説の「時をかける少女」の大変なファンである。
筒井康隆さんの手による、昭和40年出版のこの小説のヒロイン芳山和子は、決して内気な少女ではないが、もっと繊細で、あまり大声で「行けえ~!」と叫んで突進するタイプではない。

このアニメ映画の主人公は、真琴という名のさっぱりとした性格の17歳の女子高生だ。
そして、芳山和子が、彼女の叔母として登場するのは驚いた。小説の芳山和子が30代後半のミステリアスなおばさんになった雰囲気だ。
和子は、未来人ケン・ソゴルのことは、彼に記憶を消されたので憶えていないが、誰か素晴らしい人にいつか必ず会えるという強い想いを持ったことは、小説のラストに描かれている。そして、和子はいまでも待ち続けているようだ。
「あなたは、私のようなタイプじゃないでしょ?」
和子が真琴に言うが、なるほど、最初からの私の印象通り、真琴は和子とは違うタイプだ。

さて、注目すべきは、真琴の不思議な体験を聞いた和子は、「タイム・リープでしょ?」とこともなげに答えるところだ。和子も、憶えていないとはいえ、中学3年生の時、何度もタイム・リープしたのだ。
そして、さらに重要なのは「珍しいことじゃないわ。あなたの年頃ならよくあること」と、言うところだ。
これに関しては、私も言おう。それほど大したことではないと。
え?冗談だろうって?
では、早速、やり方を教えよう。
秒針がよく見えるアナログ時計があると良い。
いつでもその時計が見える位置で、目を閉じて、かつて訪れたどこかの光景を思い描いて欲しい。子供の頃にいた風景なんてものでもいい。やはり、自然の美しいところや、ノスタルジックな場所がいいなあ。
で、心がぽっと暖かくなったところで、静かに薄目で時計を見て欲しい。
ぎょっとするかもしれない。
時計の針が止まっているのだ!
この方法を推し進めていくと、不思議な世界にすら参入できる。H.G.ウェルズの小説「堀についたドア」に出てくる輝きに満ちた世界や、桃源郷の一歩手前の次元界などである。美しい天女や知恵のある仙人にも会えるであろう。

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