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2008.06.14

幽霊の歌は警句

フロイトが言ったように、自我や心自体が全て幻想かどうかはともかく、我々は幻想を抱きやすく、逸脱を起こし、洗脳に染まりやすいものであることは確かである。
特に、集団というものは間違いなく幻想を伴い、我々個々は集団との関係で、ほぼその幻想に取り込まれるものである。
幻想に染まったまま幸せな一生を送るということがあるかどうかは知らないが、様々な理由から私は遠慮しておきたい(笑)。
幻想とは、大概において心地良いものだ。では、心地良いものを警戒すれば良い。
感動するもの、心惹かれるもの、憧れるもの、安心するもの・・・全て嘘であるかもしれない。いや、嘘としよう。
W.B.イェイツの詩に“What then?”というのがある。日本語では「それがどうした?」と訳されるようだ。
この世の良きもの、価値のあるもの、幸せや望みについて、プラトンの幽霊が大声で歌うのである。“What then?”と。
「だったら何だ?」私は、この言葉を1日何百回でも使おうと思う。
高貴な霊の言葉は聖書に書かれているかもしれない。だったらどうした?闇に響き渡る幽霊の声にこそ私は惹かれる。一説によれば、幽霊は天使が姿を変えたものであるらしい。
天使も悪魔も実際は何もしない。ただ、見守るだけの天使と異なり、悪魔は背中を押すこともある。それは幸福に向かってそうするのであるが、人間の迷いのせいで悲劇に向かうこともある。それで幽霊が警句を発するのである。

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