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2008.06.29

生きるチカラ

芸術家にも自殺者は多い。
彼らは、この世の神秘な美しさや、自らの魂に潜む荘厳さすら発見したかもしれないのに自殺したのだ。
この仕組みは、分かりやすく言えば、次のようなものだ。
一般の人が、スポーツや映画の感動的なシーンを見て、涙ながらに「勇気をもらいました」と言って感激する。しかし、月曜の朝になり、これから毎日、学校や会社に行かなくてはならない現実に憂鬱になるようなものだ。
芸術家は、感激を感受する度合いが大きい分、日常の煩いとの落差が大きく、より鬱になりやすい可能性がある。「生活なんて召使にやらせておけばいい」と言った芸術家もいたが、芸術家には多いタイプかもしれない。

逆に言えば、日常を煩わしく感じる度合いの大きい人は、感動したり、ありきたりな勇気なんかをもらうと自殺しやすくなるかもしれない。幻想の夢の世界に行きたがるのだ。
アイドルの後追い自殺が非常に多いのもこのためと思う。
ごく普通に見える女子中学生が「私、○○(自殺したアイドル)みたいになる」と言って、簡単にビルから飛び降りるのである。彼女は、日常に愛想が尽きていたのだ。

日本において、安直に日常を楽しくする方法は1つである。
国家や大企業の定めた価値観に従うことだ。それに逆らうと、煩いごとは非常に大きくなる。
つまり、最も何も考えずに幸せな人生を送るつもりなら、受験エリートを目指すことになるだろう。

日本人の自殺が世界でぶっちぎりのトップを独走する理由は、国家や大企業が押し付ける価値観が非常に狭いことだ。よって、それに適合しない多くの者は自殺予備軍となる。
日本では、ごく一部の人間しか「立派」でない。さらに悪いことに、その「立派」は実は異常であるので、それに適合するのは無理がある。いったん強く適合していた者が、なんらかのきっかけで適合できなくなると絶望して自殺する。

自分独自の価値観に生き、世間に背を向けてたくましく生きているはずの者も、自分の価値観に疑問を抱くと、やはり死にたくなるのだ。

では、どうすればいいかというと、究極的には、人間本来誰しも有している力を見出すことであるのだが、いきなりそう言われても困ると思う。
まずは、価値判断や思慮分別を忘れることである。
数学者としてよりは童話作家で名高いルイス・キャロルは、11歳くらいの少女への手紙に、冗談めかしてはいたが「忘れることがこんなに気持ちいいこととは思いませんでした」と書いていたが、私には本音に思える。

価値判断を忘れ、自然な自分を取り戻すには、私よりもっと役に立つことを書いておられるブログがある。ここでも、よくコメントいただいている彫刻家の石彫人さんのブログ
開き直りのススメ
である。
我々は幼児の頃、何度転び、ぶつかっても、歩くことを諦めなかった。そのような力は、本当は消えることはない。それを取り戻せば、人生は豊かになると思う。石彫人さんのブログを見て、そんなことを感じたものである。

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Comments

恐縮です。わざわざ紹介していただいてありがとうございます。折角ですので、芸術家としての本音も書いておきます。世間に背を向けて、もしくは世間から省みられないで、芸術活動に取り組むことは、生易しいことではありません。ゴッホがその典型だと思います。26歳で画家を志し、37歳で自らの命を絶つまでの10年間、ゴッホは芸術活動に取り組んでいました。2000点にも及ぶ作品を描きながら、10年間で売れた絵はたった1枚だけ。そして、彼の死後間もなくゴッホの絵は評価され始めたのです。もう少し、待つことが出来れば・・・。
私も30歳から彫刻を始めてから、絶えず意識してきたことは、ゴッホの二の舞は踏まないこと、作品が売れようが売れまいが、世間から評価されようがされまいが、とにかく死なないこと、生き続けること、ただそれだけでした。
そしてはや10年の歳月が過ぎ去りました。少なくとも、第一の目標、とにかく生き続けることは成功したようです。彫刻家としてはまだまだですが(笑)
その生きる原動力になってくれたのが、石を彫ることそれ自体でもあり、また、マケドニアでの経験でした。それはまるで、日本で染み付いた習慣や考え方を、体中の血液ごと全部新しく入れ替えてしまうぐらい、強烈なものでした。
芸術家に限らず、社会で生き抜いていくことは、決して甘いものではないし、楽なものではないでしょう。乗り越えられないような壁にぶつかり、行き詰って、あの世へ逃げてしまいたくなる気持ちもわからないでもありません。
人間は生まれ変わるといいます(キリスト教の社会ではタブーの考え方のようですが)。すると、壁にぶつかり、苦しくて、自らの命を絶ったとすると、生まれ変わっても、まったく同じような人生を歩み、もう一度その同じ壁にぶつかるといいます。しかも、魂がその壁を乗り越えられるまで、何度でも・・・。
だとしたら、今その壁を乗り越えてしまった方がきっと楽だと思います。
では、どうやってその壁を乗り越えるのか?それは、生き続けること、ただそれだけしかありません。毎日ただ生きること、私だったら、毎日ただ作品を作り続けること、ただそれだけです。余計なことをあれこれ考えても、未来が変わってくれる保証はどこにもありません。
ほとんどの場合、その壁は、こうあらねば、こうありたいという思いや意識が作り出した幻想であって、あるがままにあることを受け入れた瞬間に消え去ってしまうようなものです。
なかなか消えない壁であっても、生き続けていれば、そのうちに壁のほうから崩れてくれるか、壁があること自体忘れて生活できるようになるでしょう。
なぜなら、悩みという壁は、意識以外のどこにも存在していないのですから。
頭で考えるのをやめること、それが“開き直る”ということです。現実をあるがままに受け入れて、開き直り、今、楽しみ始めること、それが“生きるチカラ”だと思います。
マケドニアでは、悩んでいる人というのをあまり見たことがありません。悩んだり、深刻に考えることが、ばからしくなる何かが、そこにはあります。そのマケドニアからのメッセージを、皆さんにお伝えできればと思います。

Kayさんを始め、皆さんの応援に感謝♪

Posted by: 石彫人 | 2008.06.29 at 10:57 PM

おはようございます!happy01

今の日本には”開き直り”は大切な事でしょうね…

”開き直り”と言っても”投遣り”になったり”ルーザーマインド”になることではなくて、本当に、石彫人さんが仰るように『あるがままを受け入れる…』これだけなんだと思います。
これができるだけで、大部分の”自分の気持ち”が救われます…。

そして

>芸術家は、感激を感受する度合いが大きい分、日常の煩いとの落差が大きく、より鬱になりやすい可能性がある…

なるほど…そうなんでしょうね…
落差が大きいし、他人には到底理解できない苦悩なので…
耐えられなくてこの世を去るのでしょうね…

私は芸術家じゃないけど…その気持ちは理解できますね…


Posted by: りば | 2008.06.30 at 10:07 AM

これぞパレートの法則(80対20の法則)ですね…。
日常を…でも一度でも脱線するとかなり不利に。
知り合いは、なんだかうつになっちゃったんですが、これのせいで半日、少し負担がかかると20時間とか睡眠が必要になるらしく…。
こうなったらもうおしまいみたいな…。
あと、アトピーとかでもひどいと外出できても生活バランス崩れて日常生活に相当な負荷が…。
こういうところのセーフティネットがほしいなと思います。

芸術家は、そうかも知れないですねー、わからないけど、感動=感情とすると。
右脳開発やって、少しだけあがったっぽいのですが、その分さらに感情的になったような…。(汗
よって、甲野善紀さんらの言う、身体感覚を使った学びが一番よいかも知れません。
脳科学的に見ても、多分小脳にも記憶されるので、行動に結びつきやすくなるんじゃないかな?

死ぬこと=仏教では解脱の手法の1つということを聞いたのですが…真偽のほどは不明ですが…。
とすると、芸術家は解脱したのかも知れませ。(笑
生きがいの創造を読んだからには、自殺=解脱はありえないなぁーとも思いますが…。
死ぬことは一番問題ですが、現実逃避もまずいですね(^^;
あるがままを受け入れるがキーになりそうですが、現実にこれを実行するのは難しいですね。
実行しやすくすることができるといいのですが。(ツイてるを口癖はこの効果?
他にもいい手法があると、相性などで取捨選択できるので、さらにいいなぁとは思います。

Posted by: hideto | 2008.06.30 at 11:29 AM

★石彫人さん
毎度、長文のコメント、ありがとうございます。非常に興味深く読ませていただきました。
ゴッホの絵を見ると、彼が強力な意識に目覚めていたことは間違いないですが、その分、日常への絶望は大きかったと思います。同じく売れなかった、ルノアールやセザンヌにも相手にされなかったですしね。しかし、生活と制作の費用の一切を支えた弟のテオがいたことは幸せだったはずですけどね。池田満寿夫さんは、テオのようなパトロンが有難いと本音を語ったことがありました。
今は情報メディアの発達した時代。いまなら、ゴッホも生前に成功したかもしれません。
そして、石彫人さんの作品のような素晴らしい彫刻が世に認められないはずがないと思っています。斎藤一人さんは200歳まで生きるそうですが、私は政木和三さんに千年生きると言われました。よって、石彫人さんの作品をルーブルで見たいものと思っています。
「開き直りのススメ」はきっと大きなムーブメントを起すはずです。楽しみにしています。

★りぱさん
りぱさんも芸術家ですね。いろいろ素質がありそうです。
「あるがまま・・・」最も大切なことでしょうね。
人間、不要なものを求めると、そこからどんどん離れていくように思います。
斎藤一人さんのように、人を通してもたらされる、神の頼みごとを淡々と行うというのがいいのでしょうかね?
それはそうと、芸術は良いですね。

★hidetoさん
hidetoさんも勉強家ですね。
芸術家が解脱したというのは、本当と思います。ただ、日常に帰って来た時にキツイのではないかと思います。日常なんて召使に任せておきたいのでしょうね。
芸術は爆発の岡本太郎さんも、かなりイっちゃってたと思います。ただ、彼は右脳だけでなく、意志の座である左脳も鍛えられており、へこたれることがなかったのだと思います。
絶望しかけた時、強い意志を奮い起こせば歓喜を感じると言います。やはり左右どっちも重要なんでしょうね。

Posted by: Kay | 2008.06.30 at 10:40 PM

あるがままを受け入れるなんて、かっこいいことを言ってしまいましたが(笑)、Hidetoさんの言うように、実際には簡単じゃないですよね。それが出来るぐらいだったら、悟りを開いちゃっている(笑)
マケドニア流開き直り術は、「悩んだってしょうがない、なんとかなるさ♪」って、忘れて陽気に楽しむことがその真髄です。たぶんこれは、バルカン半島に共通したメンタリティで、トルコ帝国500年の支配下で、抵抗できない逆境の中で生み出した、生きるすべなのかもしれません。
りばさんはだんなさんがギリシャ人だからわかるかな?

Posted by: 石彫人 | 2008.06.30 at 10:46 PM

レベルの高い会話に私がコメントしてよいものか・・
^^;

皆さんの素晴らしい会話にwで・・^^

Posted by: ヒデピョ~ン。。 | 2008.07.01 at 12:06 AM

自殺はよくないといいますが、タバコを吸って肺癌で死んでいく人、酒を呑んで肝硬変で死んでいく人、スピードの出しすぎで事故って死んでいく人・・・。これらも自殺と同じように思います。自殺が良いのか悪いのかはわかりませんが、自殺は最後の我侭かもしれないですね。

Posted by: クマ | 2008.07.01 at 12:41 AM

★石彫人さん
人も民族も、長く苦しい試練の中で学ぶことが多いものかもしれませんね。
その中で、「私は苦労したことなんかない」なんて言う人が一番偉いのかもしれません。
いやあ、私は苦労したことないですね(笑)

★ヒデピョ~ンさん
え?みんなのレベルの高さについていけない?
私もです!
みんなはほっといて、あっちでエッチな話しましょう。。。

★クマさん
いわゆる、「自殺行為」ってやつですね。
私も、自殺行為と言われるものの中には、かなり好きなものもあります。
人って、本質的には危ないこと好きなんですね。
伝説では、お釈迦様も、悟りを開いた直後に自殺しようとしたといいます。それをやめたところが偉大なことだったかもしれません。

Posted by: Kay | 2008.07.01 at 07:16 AM

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