変態
「変態」と言うと、どうも変態性欲の代名詞と思われているのではないかという位、この意味ばかり定着しているようだ(笑)。
しかし、変態とは、生物学的にも、物理・化学的にも実に神秘的、もしくは、精妙で驚異的なものである。
幼虫がさなぎになり、成虫に変化するのも変態であるが、あれほどの短時間での変身は大きな動物にはないものであり、実に驚くべきものと思う。大きな動物の例ではモスラがあるが(笑)、やはりその変態は映画でも神秘的に描かれていたのは、やはり変態には言い知れぬ感動があるからと思う。
女の子がある時期に急にきれいになることを「さなぎから羽化したように」などと言うし、なるほどそのような印象には正当性があるように思う。
ところで、別に少女が美しくなる場合に限らず、人もまた急激に変化することがある。しかし、それは主に内面である。究極の例を挙げれば、ブッダガヤ(菩提樹)の下で悟りを開いた釈迦がそうであると思う。彼は、深い瞑想に入り、僅かな時間で全くの別人に生まれ変わった。だが、瞑想すればブッダ(覚者。解脱者)になれるというものではない。昆虫で言えば、幼虫時代の活動が重要になる。
人間の進歩というのは、いつでもブレイクスルーだ。スポーツでも、芸術でも、少しずつ上達する部分も確かにあるが、大きな進歩は突然にやってくる。何かを熱心にやっていると、ある日突然、「あれ、俺って何でも出来るぞ」と感じることがある。ただ、人間の進歩はsky is the limit(天井知らず)だ。謙虚であればどこまでもいける(時間の果てまでもね)。
昆虫の変態を見ていると、人間の、果ては宇宙の真理も感じることができる。
変態中のKayより・・・って、どっちの変態か、それは謎だ(笑)。
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