至高体験
至高体験といったものを味わいたいと思う人もいるかもしれない。
ロマン・ロランが大洋感情と呼んだものと同じだと思うが、日本語で一般的に至高体験と呼ばれるものは、英語でpeek experienceで、むしろ絶頂体験と訳す方が正しいという者もいる。
絶頂体験と言うからには激しいものであることが予想されるが、その体験を言葉で言うと、この世の美しさに圧倒されたとか、世界と一体になったようなとか、自分があまりに幸福であることに呆然としたとか語られる。また、もっと神秘的に語るものとなると、神と一体になったとか、自分自身が神になったとか、宇宙が善意に満ちているとか、全て善しと感じたとかになる。
至高体験を研究・提唱した著名な心理学者アブラハム・マスローは、最初、至高体験は特別な人にしか訪れないものであるとした。その後、マスローは、至高体験が誰にでも起こりうることと認めはしたが、それを意図的に起すことは不可能と考えた。しかし、マスローと親交のあった英国の作家コリン・ウィルソンは、それを意図的に起すことは可能とし、その方法を最近の本に書いたりしている。
さて、私に言わせれば、至高体験を意図的に起すことは全く可能である。
ただ、至高体験を、何か、麻薬でも飲んだような状態とか、とにかくハイでいきまくった状態と勘違いされてもいけないと思う。そんなに特別なものではないのだ。ありふれていると言って良い。普通の人は、至高体験を得ても、それを忘れてしまうくらいである。
確かにそれは意識の爆発であるのだ。それはまさに、岡本太郎の爆発である。しかし、それはビンビンに痺れた状態ではない。
私で言えば、静かに「私は誰か?」とものの数分問えば、至高体験に達する。すぐには無理でも、毎日それを行えば、やがてそうなると思う。そのメカニズムはそのうち説明するかもしれない。
いずれにせよ、それほど大した状態ではないので、妙な期待はしない方が良い。
尚、至高体験や大洋感情を描いた絵は、例えばゴッホの「星天の夜」である。世界の深く強烈な意味が心の奥深くを貫いた感覚を見事に描いている。
ただ、私にもちょっと強烈な至高体験があった。天使のような少女の警句を聞いた時である。いや、あれは天使だったかもしれない。彼女の警句は、直接心を貫いてきた。そして、それを思い出すだけで至高体験に達するのである。
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Comments
こんばんは、^^
お久しぶりぶりです
久しぶりにkayさんのBlogで勉強させて頂きました
至高体験私も感じてみたいです^^
今夜もwで・・
Posted by: Hide‐Pyon | 2008.05.12 11:45 PM
至高体験を得たければ、とびきりのいいオンナとあれこれすることです。
ドストエフスキーは、後3分で銃殺という時に恩赦になったのですが、その時、至高体験に達したらしいです。
どうせいなら、楽しいことがよろしです。
Posted by: Kay | 2008.05.13 10:37 PM