忘れる喜び
ルイス・キャロルといえば、「不思議の国のアリス」などの童話で有名であるが、実は優秀な数学者であった。しかし、彼は芸術家として成功したかったようだ。作家か画家を志すが、画家の才能がないことが分かり、その代わりに写真に熱心に取り組んだ。作家としての才能は傑出しており、こちらでは成功した。
ルイス・キャロルはまた、生涯に渡り、少女の友達が沢山いたことで有名だ。彼がロリコンであったかどうかは不明であるが、美少女萌えであったことは間違いあるまい。
キャロルは、生涯に少女に宛てて2万もの手紙を書いた。対して、男の子に対する手紙は、見つかっているものではたった1通である。彼は特に腕白小僧が嫌いであった。
キャロルの少女への手紙の中で、印象深いものがあった。ものを忘れる楽しさを書いたものだ。
彼は、もちろん冗談だが、「ものを忘れるレッスンに通うようになった」と書き始める。
素晴らしい先生なので、自分の名前や仕事を順調に忘れていった。先生は心配して、「でも、月謝を払うことは忘れないように」と言うが、それもあっさり忘れてしまった。
ものを忘れるということは、なんとも楽しいものだよと書いてあった。
これを受け取った少女の反応は分からないが、きっと少しは大人の賢い女の子、つまり、ジョークの分かる子に宛てて書いたのだろうとは思うが、何かを忘れたいという彼の本音もあったことは想像できる。
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