天使と幽霊との対話
久し振りに天使を見た。
天使を見る時は、いつも空気が普段よりはるかに澄み切った感じがして、全てが鮮やかに見える。彼女の髪の1本1本や、瞳の中の煌きや、服のひだの1つ1つまで。
この機会に、前から聞きたかったことを聞いてみる。
「できれば、あんたのようなのをもっと見たい。どうすればもっと天使が見れるんだ?」
天使は微笑んで、
「天使が見えるのは天使だけ」
と言う。
いや、俺は自分が天使だとはちっとも思えないのだが・・・
すると彼女は、ぱあっと明るい顔をして、
「それ、あたしと同じ!」
と言う。まるで女子高生のような雰囲気だ。
だが、天使に逢う時間なんてほとんど主観時間で、1/1000秒程度のものらしい。その時間を覚えていられる能力の持ち主が天使を見るわけである。なるほど、1/1000秒の天使ね。
もっと久し振りに幽霊に会った。
「幽霊はどうやったら見ずに済むんだい?」
と尋ねると、幽霊は陽気に、
「幽霊が見えるのは幽霊だけ」
と言う。
それも1/1000秒の幽霊かい?
幽霊は静かに言った。
「名を持たぬのが幽霊」
私は、彼女に名前を付けた。彼女は幽霊でなくなった。
だが、私は時々、人が見えなくなるのだ。
それは、私が人でなくなるからだ。
そして、ほとんどの人は自分が見えない。
自分でなくなっているからだ。
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Comments
今日、日光中禅寺湖で天女を観た・・・。
酒を飲みながら舞っていた・・・。
天女はそれはそれは美しい!!
あれは、幻なのかな?
つきあいたいな~!!!!!
Posted by: トーゴー | 2008.04.27 10:56 PM
Gカップの天女とか(ばきっ)。
「修行すれば、この天女はそなたのものだ」と、お釈迦様は、従弟のアーナンダをその気にさせたとか・・・^^;
大丈夫。きっと遊んでくれますよ。
Posted by: Kay | 2008.04.28 09:53 PM