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2008.04.02

ツキがなければ成功しない

いかなる職業であれ、成功するためには、テクニカルな部分や、時代の流れ、市場傾向、法律、常識や風潮といったことを研究する必要があると思う。
芸術家によっては、そのようなことは一切顧みず、ただ自分の思うものを制作するという人が多いかもしれないが、そのような場合は、たまたま成功することはあるかもしれないが、ほとんどの場合、たとえ芸術としては価値があっても、世間に認められないものと思う。
ところが、上記のようなことを、全く無視した場合には難しいかもしれないが、さして熱心にやらなかった場合でも成功する場合もある。
技術そのものは、ギリギリでプロのレベルというエンジニアや、上手さそのものは、美大生や街の似顔絵屋に馬鹿にされるレベルの画家でもかなりの成功を収めた者はいると思う。
どうも、そういう人にはツキがあるものらしい。
14年連続富豪世界一の座は小差で逃したものの、ビジネスでは人類屈指の成功者であるマイクロソフト社のビル・ゲイツ会長は若い頃、天才プログラマとか言われたが、私はそうは思わない。ゲイツ氏に、「あなたの、ソフトウェアの最大の業績は?」と尋ねたら、「8080BASIC」と答えたことがあった。しかし、8080BASICは、マイクロソフト共同創業者のポール・アレン氏がほとんど製作したのだと思う。学生時代から、ゲイツ氏は技術そのものより、コンピュータの応用に関心を持っていた。ゲイツ氏に、「成功の秘訣は?」と尋ねたら、きまって「ハードに働いたからだ」と言う。しかし、彼に大きなツキがあったことは間違いがない。マイクロソフトの最初の製品のBASIC言語が、最高の製品とは言い難かったが売れに売れたことや、IBMからパソコン用OSを受注したこと、IBMと共同開発したOS/2を世界中に売り込むと同時に独自に開発していたWindowsがOS/2をはるかに凌ぐヒットとなったこと、そしてそれ以降も、確かにゲイツ氏やその仲間はがんばったが、奇跡的なツキも味方している。
世界的版画家の池田満寿夫氏も、芸大に3回連続して受験に失敗し、似顔絵描きなどもしていたが、似顔絵の仕事の交渉中に芸大生とバッティングした時は、こそこそ逃げ出していたらしい。もちろん、池田満寿夫氏の天才的なものもあるであろうが、大きなコンクールでは、権威的な人物がほとんどゴリ押しともいえる支持をして賞を得たり、やはりツキの面も大きかったと思う。
私は、ビル・ゲイツ氏や池田満寿夫氏の本を多く読んだが、全く分野が異なる2人ではあるが、なるほど、これならツキがあるのが当然ということをやっていると思えてならなかった。
ところで、彼らのようなスケールではないが、私もツキがある方だ。良い思いばかりしているので確かにツキがあるのだろう。その秘密は、どうも、ある時期、半年ほど休日無しで深夜まで働きながら(休日は1人で仕事をすることも多かった)、残業代を1円も申請せず、会社を辞める時も、ボーナス支給前に辞めたことだと思う。
だが、そのツキの材料もいつかは使い果たすであろうから、そろそろ陰徳を積まねばなるまい(笑)。

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