本当にサンタクロースなんて信じていたか?
みなさんは、サンタクロースの存在をいつまで信じていただろうか?
谷川流さんの人気小説「涼宮ハルヒの憂鬱」では、この物語の語り手である、キョンというあだ名の高校1年生の男子は、「確信を持って言えるが、最初から信じてなどいなかった」とあり、幼稚園の時にだって全く信じていなかったらしい。
しかし、主流かどうかは分らないが、小学2年生くらいまでなら信じている子も結構いるように思う。
私の場合は、幼稚園の年長組のある時までは信じていたと思う。
ところが、幼稚園のスクールバスを待っている時、一緒にいた男児が「サンタクロースは本当はいないんだよ。プレゼントをくれるのはパパなのさ」と、「この世の真実」を語ってくれたが、その時の感動は今でも忘れない。
とにかく、私は、サンタは本当はいないという、その男の子の言葉を信じたのであり、決して、「そんなはずはない。君は大嘘付きだ」という反応はしなかったのだ。
上の「涼宮ハルヒの憂鬱」の、キョンがサンタを信じなかった理由は詳しく書かれていなかったが、幼稚園のクリスマスイベントで、サントのコスプレをした園長さんを、他の子供も本物とは思っていなかったようだったとの記述がある。つまり、キョンだけが特別ではないのだ。そして、おそらく、著者も同じだったのではないかと思う。
ところで、私は、あの男の子から聞くまで、サンタを信じていたようではあったが、やはり、元々が疑っていたはずである。だからこそ、「本当はそんなのいない」という男の子の言葉にそれほど感動したのだ。
なぜ私が、サンタの存在を信じているようで実は疑っていたのかは見当がつく。つまり、「信じさせられていたサンタの幻想があまりにうそ臭かった」のだと思う。
あのわざとらしい柔和な笑顔はどうだ?張り付いたような笑顔は違和感を禁じえない。まるで、ディズニーのミッキーマウスの笑顔のような下手な作り物である(私は、ミッキーには元々、恐怖感を感じていた)。
そしてサンタクロースは、あらゆる子供に差別無く愛情を持つらしいのである。全ての子供というからには私も入っているのだろう。だからこそ、毎年プレゼントをくれるのであろう。しかし、それは不自然である。縁もゆかり(「ゆかり」も漢字で縁と書く)もないジイさんに愛情を持たれるとは、何か気色悪い感じすらする。愛情というものには、何らかの繋がり、絆が必要なもののはずだというのは、幼児の頃の私にだって分っていたのだと思う。そうは意っても、私は別に「博愛」というものを否定するわけではない。ただ、博愛といった至高の愛は、プレゼントを渡したり、笑顔を振りまいたり、マスコミを通して発表するものではないはずだ。
イエスは、病気を治したり、パンを出したりはしたらしいが(ワイルドやイェイツに言わせると、これらの奇跡もも余計なことだったらしいが)、子供に最新流行のおもちゃや、量産を誇るメーカーのお菓子を与えたりはしなかった。それは必要なことではないからだ。そんな余裕があれば、別のところで使えよと言いたい。そして、貧しい家の子供のところにはサンタは来ないか、来ても、そのプレゼントは、お金持ちの家の子供のプレゼントに比べ、随分質素であるらしい。貧乏な家の子供に、20万円のロボットのおもちゃを奮発するサンタはいないのである。
なら、サンタのあの笑顔が薄気味悪い営業スマイルに見えるのは仕方のないことと思う。
最近、217万ドル(当時約2億4千万円)で落札されたという、ノーマン・ロックウェルのサンタクロースの絵がある。サンタのおじいさんが、アメリカ合衆国の地図を見ながら、おそらくは子供の名簿を見ている絵だ。地図に巡回ルートを記入していっているようにも見える。しかし、それは、浜辺の砂を目で見て数えるようなもので全く不合理だ。子供にだって、なんとなくおかしいことは分る。
やはり、キョン君の感覚は正しいようだ。子供は案外鋭いものである。その純粋な鋭さを大切にしたいものであるが、学校ですっかりその刃を潰されてしまうのである。そうでない子供が、ハルヒのような神様になるのである。
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Comments
今回別荘を開設しました!
http://ameblo.jp/tatamiigusa/
今後は、こちらの方がメインとなってくると思います
知人の目に留まらない新天地で自由に語りたいと思っています
今後も良きお付き合いを・・
今夜のセミナーにwで・・
Posted by: ヒデピョ~ン。。 | 2008.03.19 02:09 AM
をを!これは凄い!クールだ!怪しい(笑)
良いタイトルだなあ。
う~んと、濃厚かつエッチなのを期待いたします。
がんばって下さい。日本のために。
Posted by: Kay | 2008.03.19 10:22 PM