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2008.03.08

世界を消し去る

映画やドラマで、役者が演技に感情移入するという話を聞いたことがあると思う。しかし、それは疑問だ。
実際の撮影現場は、多くのスタッフ、照明、機材が溢れ、さらに1コマ1コマに分断して撮影するのであり、とてもではないが、役者にとっての臨場感はないと思う。
また、バレエ、オペラといった、西洋の舞台芸能は、元々が王侯貴族のために作られ、それら高貴な見物人に最大の面白さを提供するための緻密な計算の上に立っている。とてもではないが、演じ手が感動している暇はないと思う。
だが、私は能を見に行った時、それらとは異なる感覚を持った。台詞を言う者が、本当に泣いていたのである。「いかにお家のためとはいえ・・・」と、声はしっかりしているものの、その声も身体も震え、迫真の演技というにはあまりにリアルであった。
日本の舞台芸能は、独特の動きやメロディーの中で、演じ手が最高に気持ちを乗せ、それが観客に伝わり、役者と観客が一体化して共鳴するようなところがあると思う。

さて、極めて日常的でありながら最高にリアルな舞台、それは何かご存知か?
それは現実そのものである。人生、あるいは世界はショーである、これは、直接的な意味であり、比喩でも何でもない。
現実世界は、マインドが作り出した幻影である。ほとんどの人間は、一生を自我による認識の中で過ごすので、それをはっきり認識することはないが、時に、直観や、世界という幻影の裂け目をたまたま発見して、それに気付く場合がある。お薦めはしないが、決死の瞬間によく悟るものだ。
まこと、人生は夢のようなものだと、最高の詩人達は語っているが、彼らの透徹した感受性はこの世が幻であることを見抜いている。
私は、小学3年生の時であるが、不意にそれに気付いたことがある。人生は、ひょっとしたら、単なる劇のようなもので、自分は役者であると。役に感情移入するあまり、そのことを忘れているが、劇が終われば、その劇が悲惨なものであっても、悪夢から覚めた時のように笑ってほっとするに違いないと。
何のことはない。世界が幻だという有名な詩すら、自分の作り出した幻なのだ。
夢が幻であることはご存知と思う。では、夢と現実の違いは何なのか?夢は短く、現実は長い。それ以外に何らの違いはないのである。
夢も現実も心が作り出すものである以上、心の奥深くに入り込めば世界は消えるし、世界を作り出す驚くべき心の力も理解できよう。そして、世界というショーを楽しむことになるのだ。
心の奥に入り込む道。それを見つけることである。それは、心を静かにさせ、あらゆる欲望を起させないものであり、望めば見つかるものである。世界を作っているのはあなたなのだから。

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