サル的人間のディスプレー
ディスプレー(display)とは、コンピュータ画面や展示・陳列という意味とは別に、動物のある種の行動という意味もある。例えば、求愛行動や威嚇行為である。
この中で、サルのディスプレーに面白いものがある。
雄ザルが、大きな石を池の中に投げ込んで水しぶきを上げたり、長い木の枝を掴んで走って砂煙を立て、大木をキックして大きな音を立てる。
これは、その派手さや音の大きさで自分の強さを誇示する行為であり、ボスザルは、より大きな水しぶきを上げ、より大きな音で木を蹴らないといけない。さらに、ボスザルはしょっちゅうこれをやり、自分の強さを見せつけ続ける必要がある。
また、ボスザルの地位を狙う雄も、ボスに負けないようがんばらないといけない(笑)。
こういった行為が、サルの集団の中でよく見られるディスプレーである。
まあ、サルだと思えば可愛らしいと思えないこともないが(もちろん、彼らは真剣であるのだろうが)、似たようなレベルの人間は実に多いと思えてならない。
深夜に、改造した車やバイクで爆音を轟かせる暴走族は、サルのディスプレーと同じことをやっているのである。連中のオツムはサルと変わらないことは間違いない。
また、これほどでなくても、人前でやたら大きな音ではばかり無く咳をする者をよく見るように思うが、これもディスプレーの一種と思う。知的な人間は、人前では口を手で押さえ、控え目に咳をするものであろう。
電車の中で大股を広げて椅子に座ったり、これもよく見るが、肘を両方に突き出して座っている馬鹿もまたディスプレーをしているのである。こういう行為でしか、自分の立派さを表現できないのである。
最近は、オフィスでディスプレーする女子社員も結構多い。机の引き出しを勢い良く閉めて大きな音を立てたり、コピー機の用紙カセットなども実に乱暴に扱ってガチャガチャ騒音を立てている。厚い書類を調える時は、気でも狂っていると疑わざるを得ないほど机に叩き付け、沖縄米軍基地のジェット戦闘機の爆音に対抗しているかのようである。
今の日本は男女平等が原則であるが、仕事の出来る男性社員にディスプレーで対抗しているのであろう。サル知恵とはよく言ったものである。
弱い犬ほどよく吼えるというのは必ずしも正しくないだろう。強い犬も威嚇や誇示のディスプレーとしてよく吼える。だからといって、人間がその真似をしても、優秀さや立派さを証明できるわけではない。しかし、サルどころか犬並のレベルの人間も多いものである。
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Comments
交渉で最大の武器は、無言
相手が黙りだしたら次回に持ち越したほうが善い結果が出るとか・・
強い人間とは、見えない力で魅了するもの
木鶏のごとく
今夜のセミナーにWで・・・
Posted by: ヒデピョ~ン。。 | 2008.02.20 12:56 AM
木鶏のごとくとは良いですね。
交渉事では、日々、苦しんでおります。標準的には、意志の強い者、状況を生み出す力のある者が勝ちますね。
Posted by: Kay | 2008.02.20 10:04 PM