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2008.01.26

運命は迎えに来る

「レイアース」という全編で2時間ほどのアニメ作品で、中学卒業を控えた風(ふう)という名の少女が、こう言うシーンがある。
「確かに私は、人と争ったことも、傷つけたこともありません。でも、この現実を、こんな運命を受け入れる訳にはまいりません」
想像もしなかった悲惨な状況が展開される中で、心優しくおとなしい性格の彼女が、戦いを決意した瞬間であった。

早い話が、現実が、運命が気に入らないから、それを変えてやろうと誓ったわけである。
だが、言葉とは面白い。上記のセリフは、以下のように言っても同じなのだ。

「確かに私は、人と争ったことも、傷つけたこともありません。でも、この現実を、この運命を受け入れて戦います」

そして、後者の方が正しい心構えである。
運命なんて逆らえるものではない。言ってみれば、芸術家になるべく運命付けられ、その才能も与えられた者が科学者になろうとするようなものだ。彼は科学者になろうと闇雲に努力するがうまくいかない。だが、芸術家には決してなりたくない。そうしているうちにストレスがたまり、病気になり、何もかもうまくいかないという状況になる。
だが、ある時、運命を受け入れ、芸術家になろうと決意した時、確信が生まれ、たとえ生活などが苦しくても安らぎを感じるのである。

運命に背いたことで成功し、大金を稼ぎ、地位や名誉を手に入れることもある。しかし、それには真の満足がなく、長続きもしなければ、苦しみすらもたらす。
そして、ある時に運命を受け入れ、ことによるとお金も名誉も失うが、真の安らぎや満足を感じ、世間的成功に興味がなくなる。

自分の運命を知ることだ。
イチローは子供達に「早く、自分が本当にやりたいことを見つけて下さい」と言ったが、「やりたいこと」と言ったら誤解を与える可能性が極めて高い。どうしても、欲望や見栄といったものの影響が大きいからだ。誰だって、スターでお金持ちになりたい。だから、それを実現できそうなものの中で面白そうなものを短絡的に選ぶ危険があるのだ。
偉大な人間の伝記や自伝を読む意味もこのあたりにある。
彼らが、運命を受け入れた瞬間を見極めるのだ。
シュヴァイツアーであれば、彼は若くして音楽家、学者として成功し、いずれの道でもさらに成功する自信があった。しかし、彼の精神は落ち着かなかった。ところが彼は運命を見出し、未開の国の人たちに医療を提供するために30歳で医大に入学することを決意した時に心は晴れたのである。それが彼の運命であったのだ。

岡本太郎は、誰でも本日ただいまより芸術家になれると言った。だが、世界に芸術家として迎えられるためには、その運命を持っている必要がある。芸術家志望であっても、本当に自分がその運命にあるのかを考え直してみても良いと思う。
運命を見出すというのは、天職を見つけるというのと同じかもしれない。しかし、世間で言われる天職の見つけ方には全く意味はない。運命は強制的だ。自分で無駄に探す必要はない。今の立場で、出来る限り義務を果たし、人に親切にすることだ。すると、自然に運命に導かれるであろう。

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Comments

今日は、長女の白百合定期演奏会のお手伝いで厚生会館に来ています
只今ソコのPCをジャックコメントです^^

確かに人間個人それぞれに運命というものがあると思います
私は、現在農業をしていますが本当にこれが天職だったのか疑問もあります
そこで今私は、自分を模索しています
風俗の呼び込みをしたかったのは、若き昔の事
今は、人生経験を重ね自分の才能は、いったいどのようなものか検討中です
常に前を見続ける私であります
(ナンチャッテ^^;)

今日の、セミナーにwで・・・

Posted by: ヒデピョ~ン。。 | 2008.01.27 at 03:18 PM

白百合定期演奏会・・・嗚呼、高尚!
私は実は、高尚なものに縁がありません(笑)。
転職ですねえ・・・分かるといいですね^^;

Posted by: Kay | 2008.01.27 at 07:47 PM

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