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2007.12.18

「引き寄せの法則」を読む

書店の主にビジネス部門の自己啓発書コーナーに、「なんでも望みがかなう」ことを謳い文句にした成功法則の本が沢山ある。
おおよそ、3種類に分けられると思う。1つは思考習慣や行動習慣を律して能力アップするという比較的常識的なもの。2つ目は宗教的なもの。3つ目は、神秘的な宇宙の法則を使い世界を動かすというものだ。2つ目と3つ目では、宗教か宇宙の法則かという表現の違いだけで、内容は同じようなものと思う。
人気があるのは、3つ目の「宇宙の法則」の使い方をマスターするものであると思う。
中でも、努力不要を標榜(公然と唱える)するものが好まれるのは当然と思う。

実際、昔からのベストセラーから比較的新しいものまで、「話題騒然」「全米超ベストセラー」と書かれたものが沢山ある。よほど人気のあるジャンルであるのだろう。
Amazonでも、これらの本には力の入った読者レビューが数多く付いている。ただ、「素晴らしい」「究極の成功法則だ」とレビューしている方は多いが、実際に億万長者になったとか、イチローの1/10程度にでも成功したというものは全くない。言っては悪いが、いかにも貧乏人が希望を持ったといった程度のものばかりである。

私もとりあえずどれか読もうと思い、現在最も旬らしい「引き寄せの法則」(ソフトバンククリエイティブ )を読んでみた。異世界の賢者エイブラハムの教えをチャネリングで伝えるというものである。チャネリングとは、死者の霊を霊媒と呼ばれる霊能力者にとりつかせるのと大体同じと考えて良いと思う。ただ、エイブラハムは死者というよりは、次元の異なる世界の生命体であるらしい。尚、巷では、宇宙人とのチャネリングの本も多い(結構面白い)。
チャネリングというだけで受け付けないという人も多いと思う。
ただ、「20世紀最大の詩人」と言われたW.B.イェイツの「ヴィジョン」は、彼の奥さんが異世界の住人とのチャネリング(自動書記の形だったようだ)によって情報を得て書かれたものである。もっとも、この本のおかげでイェイツにそっぽを向いた識者も多く、少なくとも文壇を困惑させたことは確かと思う。
また、世界的美術家である横尾忠則氏の著書では、横尾氏はチャネリングも宇宙人も霊も敢然と肯定しておられる。
確かに証明の出来ない世界ではあるが、人に迷惑をかけない限り、思想の自由の範疇である。

さて、その「引き寄せの法則」であるが、予想に反し、良い本と思った。
これまでの多くの成功法則の矛盾をよく解消しているあたり、画期的とすら思う。
2007年10月刊と、まだ出たばかりであるが、もう2ヶ月程度は経っている。
しかし、おそらく、この本の通りにして、20万円の月収が200万円になったとか、乗っている車が中古の軽自動車からセルシオやベンツになったという人は、これまでも、そして今後もほぼゼロと思う。このあたりは、これまでの成功法則の本と全く同じだ。
私は良い本とは書いたし、内容は言ってみれば正しいと思う。ただ、肝心なことがすっぽり抜けているのだ。なぜこんな肝心なことが抜けているのか実際不思議だった。著者が気付いていないのか、何か理由あってわざとそうしたのか・・・。いずれにせよ、放っておいても成功したような人は別だが、現在不幸で苦しんでいる人が素晴らしい立場や境遇になることはまずない。あり得ない。

ただ、よく考えると、その抜け落ちている「肝心要」の部分をさあここで書こうと思ったら、それはなんとも難しいことと思った。その難しさも変なもので、言ってみれば、簡単過ぎて難しいのだ。なんとなくニュアンスが分っていただけるだろうか?(分るはずがない^^;)
では、ちょっと方向を変えて説明しよう。
ナポレオン・ヒルやジョセフ・マーフィー、ノーマン・ピール、ロバート・シュラーといった昔からある成功法則は今でも人気があるし、さらに、「なぜこれらで成功しなかったか?」とうまいことを言う新種の成功法則にも面白いものがあり、新しい読者を掴んでいる。逆に、「これが成功法則の真の原典」という、ムードたっぷりに古代の真理の復活を謳い文句にするものありと、なかなかの商魂と感動する。
よって、成功法則の読者は膨大なものながら、これらを読んで、極めて低い立場の者が躍進したということは、実際は無いらしい。それどころか、成功法則の本のマニアは中流以下か、はっきりいってその者個人は下流層が圧倒的であると思う。まあ、私がそうだったのだが(笑)、成功法則を捨てて地道にIT技術の習得に励んで、ちっとはマシになり、偉い人の執務室にも入れるようになった。すると、そんな部屋には必ず本棚があり、実務書以外にもいろいろな本があった。そして、ほぼ必ず、成功法則の本が1冊あるのだった。ただ、注意して欲しいのは、「1冊」ということだ。2冊ではない。2冊なら2流、3冊あれば3流の社長である。
ある大人物の本棚には成功法則の本は1冊もなかったのだが、なんと、1冊を何千回と読み、とうとうばらばらになってしまったという(20年かかったとか)。
また、別の社長は、書籍ではなかったが、SMIという成功プログラムのテープを耳が空いている限り聞いていた。あまり常にイヤホンを付けているので、難聴者と思われているらしい。
ご本人は次から次に本を出しているが、大富豪の斉藤一人氏の本を読むと、明らかに「マスターの教え」の引用が見られるが、多分、これだけ読んでいるのではないかと思う。

そしてもう1つ。いかなる成功法則を学んでも、成功するには精神の円熟が必要であることは疑いない。当たり前の話で、普通の中学生や高校生が何千万円も手にできたら、世界は混乱し、何より本人たちが不幸であるし、そもそも、絶対にそんなことはあり得ない。

精神の円熟という必要な条件をクリアできない者が非常に多いのであるが、実際は成功法則の中には優れたものも多いと思う。また、少々怪しいものであっても、ひょっとしたら効果は変わらないかもしれない(個人的には間違いないと思う)。
精神の円熟振りは、おかしなもので一目で分かるものである。一目で「どこにでもいる雑魚」に見える者が「引き寄せの法則」を読んでも始まらない。そういうことである。

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Comments

実は、私この手の本読んだ事がないのであります
と言うか成功は、自分で摑むものであり教わったからと言ってその様に為るとも考えがたい
恋愛を通じてそう悟りました^^;

私が信じるのは、自分自身の心の目です
経験がそれを育ててくれます
以前営業に興味が有り何冊か本を読んだ事がありますが結局たどり着くところは、同じでした
書いては、ありませんでしたが心で悟りましたよ
魅力ある人間になれば人は集まり幸せもあちらの方から近寄ってきます
自分を磨く事が成功の秘訣だと私は、思いますが・・^^;
kayさんの見解は・・・

今夜のセミナーにWでポイッとな


Posted by: ヒデピョ~ン。。 | 2007.12.19 at 12:08 AM

自分の経験だけに頼ると、場合によっては独りよがりになる可能性もあるかもしれませんね。
かといって、自分だけの信念もまた必要。なかなか難しいですね^^;
寄ってくる人にもよりますかね。類は友を呼ぶですから。

Posted by: Kay | 2007.12.19 at 09:52 PM

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