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2007.11.29

損を選び、不安に飛び込め

生命の充実、生き甲斐の根本原因とは、意識が目覚めていることなのだ。意識が目覚めていなければ、どれほどのものを得ようと幸福感はない。
しかし、どんな状態を意識が目覚めているかとするのは意外に難しい。
ビジネスや戦争に邁進している状態は、意識が眠り込んだ状態である場合が多い。これらのビジネスや戦闘は悲惨な結果を生むことになる(戦闘は悲惨な結果しか生まないが、より悲惨ということである)。
では、意識が目覚めている状態と眠り込んでいる状態を区別するため、1つの話を取上げる。
やや昔のアメリカあたりの話である。ある一家が、盗賊に襲われ、皆殺しにされた。家族全員、両腕を縛られ、足をロープで吊るされて木の上から地面に頭から落として殺すという残酷な殺し方であった。だが、一人の男の子が奇跡的に生き延びた。彼は大きな勇気を持ち、復讐を目指した。しかし、彼はある時、より大きな勇気を持って盗賊達を赦したのだ。彼が復讐に取り付かれていた時が、意識が眠り込んだ状態であり、赦した時が意識が目覚めた時である。

W.B.イェイツは、ドストエフスキーなどと同じように、意識の高度な覚醒状態というものがあることに気付いた。夏目漱石なども、そのようなことがあることを言ったようである。
ロマン・ロランが大洋感情と名付け、心理学者のマスローが至高体験と呼んだものも、同じか同種のものであるかもしれない。
イェイツは、それがどのような時に起こるかは明確には分からなかったが、「恨むのをやめた時に起こりやすい」と洞察した。まことに優れた洞察である。
「憎む」「断罪する」「欲しがる」「嫌う」「得をしたい」「見下す」「安心する」といったことが精神を眠らせる代表的なものであるのだ。
基本的には、この逆が精神を覚醒させるものであるが、「憎む」の反対の「愛する」には注意がいる。愛するという感情ほど誤解されやすいものはなく、「彼を愛する」という場合、実際には、それにまつわる幻想を愛しているだけである場合が圧倒的である。よって、「愛している」と言ったほとんどの場合、意識は眠り込んだままだ。
「欲しがる」の反対の「与えたがる」も、与えることで得られるものの幻想を愛する場合は逆に意識を眠らせる。
これらの中では、「得をしたい」の反対の「敢えて損をする」や、「安心する」の反対の、「敢えて不安な道を選ぶ」は目的に叶う。ダスキンの社訓が「得な道と損な道があれば、迷わず損な道を選ぶ」というのはなかなかのものであるが、その精神がどこまで生かされるかは不明だ。
欲望の放棄は、意識の覚醒に有効だ。実際には、意識が覚醒すると力や幸運を呼ぶものであり、多くの願いは諦めた時に叶うものである。だが、もちろん、それを前提にしての諦めるでは意味はない。

学校教育は悲惨なまでに意識を眠らせる。
また、大手企業のテレビCMやカタログ宣伝もそうである。
日本の学校教育は、アメリカで国家と大企業の結託で作られたものであるが、意識が眠った人間こそ、国家や大企業にとって都合が良いことは間違いがないのであるから当然のことである。
また、人気テレビ番組もそうである。意識が眠り込むことは悲惨なのであるが、おかしなことに人間は眠りたがるのである。このことを心得ていないと、人気番組は作れない。
芸術やスポーツで、「意識が目覚める素晴らしさ」とか言う時は、逆に意識を眠らせると言って間違いない。小説、映画も同様だ。ここで言う「意識が目覚める」とは、感動を指していると思う。感動こそ、意識を眠らせる代表格である。ちょっと意識が目覚めていれば、感動の裏側は嘘だらけであることが分かると思う。

憎むのをやめ、赦し、諦め、損を敢えて選び、不安の中に飛び込むことで意識を覚醒させるのは素晴らしいことである。それでこそ、真の幸福を掴むであろう。

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Comments

今夜は、素晴らしい講釈でした
私の胸にグサッと刃が・・・^^;
kayさんは、やはり私が見ん込んだ講釈師です

今夜の分Wでポイッと・・

Posted by: ヒデピョ~ン。。 | 2007.11.30 at 08:36 PM

講釈というより好色^^;
今回のかなり高度なはずの(笑)内容をよくご理解いただけました♪

Posted by: Kay | 2007.11.30 at 09:38 PM

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