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2007.11.20

小説家の条件

夏目漱石や芥川龍之介といえば日本の誇る最大の文豪であるが、なぜかれらが文豪であるかご存知であろうか?
「偉い人たちがそう言うから」「学校でそう教わったから」「なにやらそうらしいから」「それが常識らしいから」なんてことで了解していないだろうか?
私は、中学生位の頃は、彼らの作品なんて大したことのないつまらないものと見なしていたし、その後は、評価を保留しておいた。なんて賢いんだ!!(笑)
学校では、彼らの作品がなぜ優れているかは説明されなかった。私がH.G.ウェルズやダンテに傾倒していたら、教師は芥川の方がレベルが高いと言う。しかし、なぜそうなるかは言わなかった。もちろん、教師は、せいぜいが上記にあげた理由でそう言っただけだからだろう。

小説家になりたいと思っている人は多いと思う。
言うまでも無いが、単に面白いお話を書けるだけでは、短期的に何かの間違いで流行作家になったとしても、すぐに消えてなくなるはずである。

文豪の作品というのは、架空の話であったとしても、登場人物の言動や感情に矛盾が無いのである。もちろん、人間には個性があり、知性や美的感覚、さらに肉体条件など実に様々であるが、それでも、文豪の作品では人間描写に自然性がある。例え、登場人物がいかに突飛な、あるいは、常識的には考えられない行いや発想をしても、それはそれでおかしくないのである。
よって、優れた精神分析学者は、文豪の小説では、登場人物の精神分析すら可能なのである。
その理由は、言うまでもないが、文豪は人間に対する深い洞察力があるからである。
その洞察力をどう得るかというと、簡単に思いつくのは経験である。この場合、実に様々な経験を積み、さらに、意識的にか偶然にかは分からないが、多数のサンプルやフィードバックが得られるようなアクションを自分から起しているのである。また、より深い洞察を得るには、感情的、肉体的、危険度などにおいて、より厳しい状況が有利であることも予想されるであろう。
もう1つは論理的、研究者的に人間を理解するという方法である。もちろん、これ一辺倒では駄目で、ある程度の経験は不可欠と思うが、人間に対する洞察をより効率的に獲得する可能性はある。では、どのようなものを学べば良いかというと、1つにはフロイト精神分析学があり、実際に多くの作家がフロイトを熱心に研究した跡がある。ただし、フロイトは鋭い天才ではあるが、自らはプレイボーイであったことも、浮気して妻に殺されかけたことすらない真面目な男であったため、洞察の深さに欠け、時には、あまりに浅はかな考察に固執することすらあったことは、優れた思想家達が共通して指摘することである。
それでも、有名な心理学者や精神分析学者はフロイト以外に沢山いても、圧倒的にフロイトが人気があるのは、基礎的な部分ではフロイト理論に正当性があるのだろうと思う。
通常は、フロイト以外の心理学や精神分析学、あるいは哲学、思想も十分に勉強することが必要であろう。

さらに、私はもう1つのことが必要と思う。
それは自分自身への洞察である。どれほど他人を観察し、心理学の勉強をしても、それらは他人に関する研究である。唯一、リアルな献体は自分だけであるし、他人や心理学に関する理解も自分の精神を媒介とするしかないことも考えると、どれほど自己理解が必要かは言うまでもない。ソクラテスではないが「汝自身を知る」ことが不可欠である。
そして、自分を深く知るには、どうしてもひきこもることが必要である。他人や物事との関わりの中での自分の反応も、それを正しく理解するにはひきこもってみるしかないのである。一人で、長く深くひきこもらないと自分について分からないことは多いのである。

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Comments

仏教で悟りを極める為に一人洞窟に入るひきこもり的な状況も今の自分を悟る一つの手段なのかな!?
己を知り自分の足元を知った上で相手の事を思いやる
そんな人物になりたいヒデピョ~ン。。であります

今夜のセミナーにWで・・・

Posted by: ヒデピョ~ン。。 | 2007.11.20 at 11:34 PM

洞窟にひきこもるのは、世俗での役割を終えた後でしょうねえ。武蔵のように。

をを!立派な心がけでございます。
さすが私がナイス・ガイと見込んだことはあります!

Posted by: Kay | 2007.11.21 at 10:47 PM

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