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2007.09.27

コトバの少女と無限の想像力

小説などの中で、文章だけで表現された少女の美のイメージが、絵などで見るよりかえって強烈であることはないだろうか?
もちろん、その少女の行いや発言といった印象の蓄積の影響は大きいと思うが、むしろ、わずか1行の文章で鮮烈な印象を得ることもある。
いくつかあげてみるが、その本そのものを引っ張り出して確認したわけではないので、かなりいい加減である。

最も凄いと思ったのは、W.B.イェイツの小説「まだらの鳥」にあった。これはイェイツの自伝的小説で、主人公マイケルはイェイツの投影である。
マイケルは、マーガレットという少女を見て、美しさが過ぎると、むしろ哀れに感じると述べる。哀れに感じるほどの絶世の美。想像もつかないが鮮烈な言葉である。

仏教学者のひろさちや氏の釈迦の伝記的な書物である「いま、釈迦に学ぶ生き方」という本で、伝説にある話と思うが面白い話があった。
釈迦の従弟のアーナンダが結婚を控えていた。だが、釈迦はアーナンダに、結婚なんかやめて修行しろという。アーナンダは拒否する。当然である。花嫁は16歳の素晴らしい美少女で、アーナンダは楽しみでならなかったのだ(何がだ)。
そこで、釈迦は神通力(超能力)を発揮し、アーナンダをヒマラヤの山奥に連れて行き、年を取ってよぼよぼの雌ザルを見せ、アーナンダに「お前の花嫁と、この雌ザルではどちらが美しいか?」と尋ねた。アーナンダは憤慨し、「私の花嫁に決まってます」と答えた。
次に釈迦は、アーナンダを天界に連れて行き、天女を見せた。そして同じく、「お前の花嫁と、この天女ではどちらが美しいか?」と尋ねた。アーナンダは、「この天女と私の花嫁では、私の花嫁と、先程の雌ザルほどの差があります」と答えた。
釈迦はトドメの一撃を放つ。「アーナンダよ、修行すれば、この天女はお前のものである」。
アーナンダが一心不乱に修行に励んだことは言うまでもない(笑)。そして、修行が進むにつれ、アーナンダは天女のことも忘れたのだった。「嘘も方便」とはこのことである。

光瀬龍氏の小説「夕映え作戦」は、今でも出版されているが、30年以上前の作品と思う。当時はライトノベルなどという言葉はなかったはずだが、おそらくそれに該当する。
現代の中学生がタイムマシンで江戸時代に行き、忍者とも戦うといったものだが、現在の発育の良い中学生の方が昔の忍者より強いところが面白い。
ある忍者集団の頭領が13歳の少女というのも凄いが、夜の会議の際、蝋燭の炎に照らされたその少女の顔がはっとするほど美しかったとある。その1行で私には強烈な印象が残った。これも感受性と思う。

アンデルセンの自伝の中で、スペインで出逢ったある少女のことが書かれている。
年は11歳くらいで、貧しくボロをまとってはいたが、神殿の石段に座るその姿は美の化身のようであったとアンデルセンは書いていた。
後にアンデルセンは、「即興詩人」という小説の中で、この少女をモデルにしたララという名の盲目の少女を登場させている。この少女の描写については「年は11より多くはなし」と書かれていたのしか憶えていない。何せ、森鴎外の格調高い文語体の訳文は私には歯が立たなかったのだ(笑)。

絵や映像で示されると、それがむしろ制限となる。
しかし、人間は無限の想像力を持つのであり、いつも目で見るばかりでなく、文章などから自分で想像して見るのも良いことと思う。
芸術作品には、やはり見る者に無限の想像を起させるものもあると思う。ただ、芸術を見る目がない場合にはブタに真珠というものかもしれない。
現在は特に、美しい少女のあんな姿やあんな姿が(笑)写真やアニメや絵で豊富に提供されているが、それが果たして幸せなことか疑問だ。というよりは、誰にとっても不幸とは言えまいか?

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Comments

kayさんに私は、どの様に映っているのか興味身有ります!
どんな感じでしょ~う!?(^^)

今夜のセミナーにポイッと

Posted by: ヒデピョ~ン。。 | 2007.09.28 at 12:17 AM

私にとって、他人というものは存在しないのですね。よって、ヒデビョ~ンさんを見ても自分を見るわけです。全ての人は私なわけです。
そして宇宙は私のもの。
世界中の美少年、美少女も私のものです(え?)

Posted by: Kay | 2007.09.28 at 09:38 PM

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