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2007.08.30

鈍感力より受容力

小泉前総理が閣僚に薦めたことで、渡辺淳一氏の「鈍感力」が注目されたことがあった。
私は、鈍感力が良いものであることには賛成である。鈍感力とは簡単に言うと、昔の一休さんのアニメの歌の「気にしない、気にしない」の状態と言って良いと思う。

小泉前総理が、この本を紹介した際には、知識人達には「鈍感力ではなく敏感力が必要なんじゃないのか」と言う者も多かったが、一般論として鈍感と敏感のどちらが良いという議論に何の意味もなく、なんとも間の抜けた発言をする知識人達もあったものだと思った。

ただ、鈍感力の良さは認めながらも、普通の人がそう簡単に鈍感になれるはずがない。
もちろん、人間は他人のことには鈍感だ。その理由は、他人が可愛くないからだ。しかし、限りなく可愛い自分のことに関して鈍感になれるはずがない。
そこで思い至ったことがある。
子供達に人気のある特撮ドラマの「スーパー戦隊シリーズ」の1つに「百獣戦隊ガオレンジャー」というのがあり、私は見るともなく数回見ていたと思う。その1つで、ヒーローの1人が「戦士の誓」といったものを唱えていた。内容はさっぱり忘れたが、戦士とはかくあるべしという宣誓のようなものだったと思う。そのさっぱり憶えていないものの中に、1つだけ「悲しみは受け入れる」という言葉を聞き、それが妙に印象に残って憶えている。
戦士の誓であれば、悲しみをぶっ飛ばしたり、そんなものに囚われてはいけないといった言葉がきそうであるが、それを「受け入れろ」という。

悲しみというのは、いかに雄々しく勇敢な戦士であっても、必ずしもそれを制御できるわけではない。鈍感力を持っても「気にしない」とはならない。
人の心とはそのようなものである。
一般的なことでいえば、愛する恋人が、自分以外の異性(場合によっては同性)と親密にしていたり、いわんや抱き合ってキスでもしていたら「気にしない」とはなるまい。そして、それが、どうしようもない事態である時、どうすれば良いのか?鈍感力が助けてくれる可能性はほとんどない。そんな時は、その苦しみを受け入れれば良いのである。
苦しみ、悲しみを受け入れることで起こることは奇跡的なものである。
受け入れる能力、それは受容力と言って良いと思う。実に、受容力は鈍感力の千万の力を持つ。苦しみ、悲しみを受容することができると思っていない者も多いと思う。しかし、試してみると良い。決して失望はしないだろう。心は静まり、新たな視点が開け、快楽を受容するよりはるかに深い喜びを得るであろう。
ただし、本当に受容すればである。
これは、くどくど言葉で説明するより試してみることだ。

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Comments

受け入れている気になっている、というのが陥りやすいワナですよね。愛とナルシズムの錯綜でしょうか。実際は押し付けでしかないので。
 わたしは数年来の友人に対する愛憎を昇華した瞬間にぱあぁぁーっと効果音が聞こえそうなくらい視界が明るくなりました。人間との縁を続けることの難しさをひしひしと感じますが、憎しみとか苦しみの対象を人間に対して持ち続けている限り、さらに自分がより良い人間になりたいと思う限りは、そこから離脱していては悟りもクソもないのでしょうね~。うぬ~。

Posted by: mikemike | 2007.08.31 at 02:03 AM

鈍感力は、苦しみから逃れようとするものですが、受容力はそれはなく、しっかりと苦しみを受け止める点が違います。
よって、しっかり苦しんでいるかどうかが、受け入れているかどうかの目安です。
まっすぐ自分の宿命を受け止める勇気が必要です。

Posted by: Kay | 2007.08.31 at 09:53 PM

な…なるほど…!!とてもよくわかりました!!

Posted by: mikemike | 2007.08.31 at 10:53 PM

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