« 百合を真面目に語る | Main | イブのいちじくの葉 »

2007.07.08

人生が気に入らなければ

「コリン・ウィルソンのすべて」という、2004年に出版されたウィルソンの自伝がある。
ウィルソンの人生の細々した出来事、特に、「アウトサイダー」を出して不意に有名人になった直後のゴタゴタは退屈であった。
しかし、時々、さりげなく、極めて重要なことを書いていたりする。もう年寄りなんだから、こんな気まぐれな書き方をするなよと言いたいが、もう出版してしまったものは仕方がない。
この本で、何度か、ウェルズの作中の人物のミスター・ポリーの言葉として「自分の人生が気に入らなかったら、それを変えるにしくはない」というものが書かれていた。
どのウェルズか書いてなかった。このウェルズとミスター・ポリーで作品を特定できる人はそうはいまい。訳者の中村保男氏はウィルソンの翻訳は長いのだから、ちゃんと注釈を付けろよと言いたい。
この作品はH.G.ウェルズの「The History of Mr. Polly」で、ミスター・ポリーはウェルズ自身の分身と思われる。日本語のタイトルは「ポーリー君の物語」となるらしいが、翻訳が出ているかどうかは知らない(洋書ならアマゾンでも買える)。

「自分の人生が気に入らなかったら、それを変えるにしくはない」とは心トキメク言葉ではあるが、詐欺師が最も活用する人間の欲望であることに注意したい。「潜在意識の法則」やらスピリチュアルやら占いやらで、人をだまくらかして儲ける連中は後を絶たないが、騙されることも幸せなのであろうか?騙されている連中に真実を教えると、大抵攻撃されるのだ(笑)。
真実を知る稀有な者としてつらつら書くと、人生を変えるのに、自発的欲望というものはまず役に立たない。例えば、「歌手になる」「女優になる」「作家になる」などを、ただ自分だけの欲望として望んだ場合である。
また、ポリーの言葉にちょっとした間違いもある。変えるべきは人生ではない。こう言うと、「ああ、自分を変えろと言うのだろう?」と言う者もいるかもしれないが、自分なんて変えられない。変えるのは世界である。それが理解できないと何も変わらないのだ。
世界は変えられる。好きなように変えるが良い。ただし、望みの大きさに従って、エネルギーと時間が必要だ。まとめれば、思いの強さである。もし、願いが叶わないなら、思いが十分に強くないのだ。そして、自発的欲望は大したエネルギーを引き出さない。
もし、信頼する人間に「きみは音楽家になるよ」と言われ、それを忘れなければ必ず叶うのである。憶えていればね・・・。

20070708_2

日曜恒例のラクガキです。
クリックすると、大きな絵がポップアップで出ますとさ(笑)。

|

« 百合を真面目に語る | Main | イブのいちじくの葉 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 人生が気に入らなければ:

« 百合を真面目に語る | Main | イブのいちじくの葉 »