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2007.06.15

ITスキル向上のために何が良いか?

50年くらい前と比べても、一般的には世の中なんてそんなに変わってはいないと思うが、ことITに関しては劇的に世界を変えていると思う。それは、車が空を飛ぶといった変化ではなく、人間の基礎的な能力を増強する形で貢献しているのである。
しかし、一般の人のITスキルはあまり上がってはいないと感じる。
e-mailやWebを存分に利用しているのは確かだが、だからこそ、ITの本質を理解していないひずみが現れ、おかしなトラブルが起こる。
では、IT教育は何を主眼にやれば良いのだろうか?

昔、パソコンの普及が本格的になってきた1990年代、日本でも遅れ気味だったパソコン教育が行われるようになった。
ここで行われた教育は、小学校~大学まで含めてほとんど悲惨だった。パソコンは机上の学問ではない。実践が大切であるが、そのような教育を本の勉強しか知らない学校教師にやらせて成果があるはずがない。
教師自体も、パソコンに自信がないと正直に表明した方が多かったが、パソコンは勉強して自信が付くものではなく、実際に役立たせて初めて理解できるものであるのだから当然である。
小中学校では、退屈なパソコン操作やタイピング、ワープロやお絵かきみたいなお茶を濁した教育が行われ、大学ではプログラム教育なども行われたが、どれもやらない方がマシなものばかりだった。

ところで、大学での一般教養としてのパソコン講義でプログラミングを教えたことも批判された。
しかし、ITの理解には、どう言ってもプログラミングが最も良いのである。ただ、そのやり方が問題だ。紙と鉛筆でやってもできることをコンピュータでやっても意味はない。やるからには、コンピュータでないとできないことをしないといけない。それは、別段、難しいテーマでなくても良い。例えば、30万円で、2800円のTシャツと4300円のYシャツを200円残して買うには何枚ずつ買えば良いかなどである(これ、紙と鉛筆でできる?)。
また、コンピュータでしか出来ないとはいえ、その場では楽しそうなフラクタル図形を表示させても、フラクタル自体の意味が分からければ意味はないのだ。
昔は、パソコンに漏れなくBASIC言語のインタープリタが付いており、これをうまく使えばITの理解を深めることは可能であったのだ。少なくとも、大学生においてはそうである。
BASIC言語は、そのような目的でダートマス大学のジョン・ケメニー、トーマス・カーツの両数学教授によって開発されたものだ。これは主に、文系学生のコンピュータ教育に使われた。これは後のパソコンのBASICとは比較にならない程使いにくいものであったが、成果を上げていたのである。

ただ、現在のパソコンにはBASICは付いていないし、パソコンでできる面白いことがいくらでもあり、地味なプログラミングをやろうと思うことはないと思う。
それでも、プログラミングをやってみることの価値はある。
BASIC言語なら、十進BASICという素晴らしいものが無償公開されている。
BASICは教育用に良く出来ている。
Perl言語も良いと思う。英語サイトだが、ActivePerl(アクティブ・パール)がリンク先で無償で入手できる。
実用性ではPerl言語であるが、基礎的なプログラミングの理解という意味ではBASICを薦めたい。Perlは強力過ぎて、初心者では本質を見失うと思う。
WordやExcelにはVBAという、VisualBasic(ビジュアル・ベーシック)互換のBASICが付いているが、あまり学習には向かないと思う。最近のVisualBasic.Netも無償で使えるが、こんな巨大でややこしいものを初心者に薦める気はない(VBAでも巨大過ぎる)。
もちろん、Javaも無償だが、やはり初心者には向かない。C系言語もマイクロソフトやボーランドが無償の処理系を公開しているが、やはり同様である。

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