« カーテンの服 | Main | 老人 »

2007.05.06

心的エネルギー

人が何かを成し遂げるには、エネルギーのようなものが必要だとは思うが、それは体力のみではなく、何か感情的なものの力も大きいように思われる。
しかし、感情的エネルギー、あるいは、心的エネルギーなんてものは定義しがたく、ましてやそれを自在に扱うことは難しい。

この心的エネルギーみたいなものを、インドではプラーナ、中国では気とか呼び、時にはそれを操る技術について真面目に考えられることもあるようだ。一部に人気のある気功もその1つである。とはいえ、気功というものの信憑性は必ずしも認められているわけではなく、むしろ怪しいもののように思える。昔、気のパワーで人を吹っ飛ばすなんてパフォーマンスを披露する、自称「気の超人」みたいなのはいたが、吹っ飛ばせるのは弟子だけとは笑い話でしかない。

ナポレオン・ヒルは、人を動かす神秘のエネルギーの正体は性エネルギーとした。まあ、人間の「いい男」「いい女」を得るための強烈なエネルギーを考えれば分からぬでもない。また、この考え方はフロイトの初期の説である、人間の欲動は「性の欲動」と「自我の欲動」すなわち自己保存の欲動というところからきていると予測される。ただ、フロイトはこの説を後に修正し、人間の欲動を「生の欲動」と「死の欲動」とした。

フロイトでは、生命エネルギーである欲動は「エス」の中にあるとした。エスとはフロイトでは、心を構成する3要素「自我」「超自我」「エス」の1つであるが、自我や超自我もエスからできており、エスは生命エネルギーそのものだ。
エスの概念を、フロイトはドイツの医師グロデックから借りたが、そのグロデックのエスとなると、なんとも理解しがたく神秘とさえいえる。

人間、「やる気」であると言われるが、「やる気」を表す生命エネルギーとはかくも謎であり、ましてや操ることは難しい。
だが、当然にして人はそれを求める。好きな人に思いがけず告白でもされたら、しばらくの間は凄いパワーにみなぎるだろう。コリン・ウィルソンは、もっと直接的に「好みのタイプの美女が全裸でやってきた時の」状況といい、自分のやりたいことはそのパワーを人々に与えることとしている。だが、彼の素晴らしくも膨大な書籍は、必ずしも成功しているとはいえない。
まあ、簡単な方法としては、欲は1つに限定することだ。すなわち、限りあるエネルギーを分散させて無駄にしないことで、1つの目的への達成率は高まる。ただ、それが難しいの人間である。

|

« カーテンの服 | Main | 老人 »

Comments

例えば、二つのことは無理として、
逆に二つの事を一つと捉えた場合はどうなるだろうか?。

例としては、絵を描くエンジニアが居たとして、
結果的にこれは、絵も描いているエンジニアという一つの答えになる。

二つの出来事を一つと捕らえた場合精神的に温存できるのでは無いのか。

日本語という考え方を思い出してほしい。
日本語は、一つでない。
漢字、ひらがな、カタカナがそれだ。
同じ国なのに3つの言葉で一つの言語となっている。
習得する事は可能だ。

ただし、人は、マルチタスクで並行処理みたいなのは不可能なので、
やはりすべてを完全に理解する事は不可能だ。

Posted by: fox | 2007.05.06 at 10:59 PM

逆に言えば、絵を描くということが1つではないのだ。
私のようなコンピュータソフト開発者にとっても、コンピュータソフトの1分野を取ってすら、長い年月を要する。
数学などは、1つの分野だけでも一生を費やす。

ただ、確かに、2つに見えることを1つと捉えることはできるが、それはやはり思慮を要する。まず1つを制してから次に挑むか。2つ同時の方が、補完しあって効率が良い場合も当然あると思う。

絵を描くエンジニアで著名なのは、ピーター・グラハムというコンピュータプログラマだ。
彼は天才プログラマであると同時に、企業家として成功した。その途中、彼は絵を描きはじめた。絵を描くことは、コンピュータプログラミングに素晴らしい効果を与えた。しかし、彼はプロの画家になったわけではない(今後は知らないが)。
この場合、コンピュータプログラミングの中に、絵を描くエッセンスがあったと言えるかもしれない。

Posted by: Kay | 2007.05.06 at 11:36 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/3170/14974556

Listed below are links to weblogs that reference 心的エネルギー:

« カーテンの服 | Main | 老人 »