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2006.11.22

楽しい眼力の鍛え方

先月出版された、梅原猛さんの「歓喜する円空」を読み始めました。
円空は江戸時代前期の仏僧ですが、なんと言いましても円空が作った「円空仏」と呼ばれる木彫りの仏像が有名です。
円空は仏像を生涯に12万体作ったと言われますが、それはちょっと信じられないながら、大変な数を製作したことは間違いないようです。円空仏の芸術的価値は極めて高く、海外でも評価されているようです。この本によると、現代のフランスの一流彫刻家ニコラ・アルカン(レオナルド・ダ・ヴィンチ賞など数多く受賞)が、円空にライバル心と嫉妬心を起こしたのですが、400年も昔の人と知って驚いたとあります。
「異形の仏」と呼ばれることもあるように、円空仏には非常に前衛的な作品も多くあります。

ところで、梅原さんは、この本を書くにあたり、自分の円空研究の日がまだまだ浅いことを自覚し、「後10年、せめて5年後にすべき」と考えたそうですが、梅原さん現在81歳。それで後5年とか10年とか考えるとは大したものです。確かに、この本を見ても、梅原さんの知力に衰えは感じませんし、詳細な調査に要した労力を考えても、後30年はいけそうですね(笑)。

この本の最初のあたりに出てきますが、梅原さんは仏像を見る目に自信があるようです。そして、この眼力は幼い頃にあることで養成されたというのですが、それが面白いものでした。
梅原さんは小学校に入る前、伯父さんに力士(相撲取り)のブロマイドを沢山もらい、朝から晩まで眺めているうちに、力士の身体の特徴を細かく憶え、身体の一部を見ただけでどの力士か言い当てるほどになったと言います。力士が好きというのもあったと思いますが、とても面白い眼力の鍛え方です。
昨今、アイドルの写真集が沢山出ていますので、愛好者が多いということだと思います。では、これらの写真集のマニアとなると、アイドルの身体の特徴を細かく憶え、手足の一部を見ただけで「ゆうこりんだ!」「しょこたんだ!」とか言い当てられるものでしょうか?(笑)ただ、アイドル写真集でも、このように眼力を鍛えることは可能と思いますね。

また、普通の人であれば、アニメを見ても、毎回同じような絵に見えますが、マニアは、「今回の絵は良い」「今回は手抜き」とかはっきり分かるようです。それどころか、「今回の作画監督は誰」といとも簡単に言い当て、好きな作画監督の絵の特徴も詳細に述べることが可能なようです。彼らの目もこうやって鍛えられているのですね(笑)。いや、良いことです。

ところで、私が円空に興味を持つきっかけとなったのがこのナイフです。名人鍛冶師、関兼常作の「円空彫・匠」です。
以前、これを購入しましたが、派手さはないものの恐ろしく切れる(^^; 手作りで隅々まで味わいもあります。ブレード鋼材は白紙1号。日本刀の玉鋼に近く、非常に硬いですが、ステンレス製の洋式ナイフと違って錆びます。
円空が使っていた小刀に「思いを寄せて作った」とありますが、別に円空の小刀と同じものを作ったというわけではないと思います。
私は、老子や荘子を愛読していたのと、中国の神仙思想やそれが日本の神道が結びついたようなものがロマンチックで面白く感じたこともあり、仏教はあまり知らないのですが、これを機会にお釈迦様の教えにも触れてみようとか思っております。それでも、「歎異抄」や「正法眼蔵」は愛読しておりましたし、「法句経」(「法華経」と間違われやすい)も一応は持っております。日本においては、仏教、神道、道教がかなり融合されていて、独特のものになっているようですね。

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