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2006.10.12

ムンク

多くの人も同じかもしれないが、私はムンクといえば「叫び」のイメージしかなく、「叫び」があまり好きでないので、ムンクのイメージが良くなかった。
ところで、こんなイメージが作られるような、「叫び」の極端な強調はいかがなものかと思う。

たまたま、カール・グスタフ・ユング(スイスの著名な精神科医、心理学者)の関係の本を見て、その中に掲載されていた、ムンクの「病める子」を見て、その美しさに衝撃を受けた。原版は、ほぼ正方形で、一辺が120センチもある油彩画を、小さなモノクロ画像にしたものでさえ、それほど美しかったのだ。
ベッドに身を起した少女の横で、母親がうな垂れいる。回復の見込みのない娘への悲しみに打ちひしがれているのである。その悲痛さがよく伝わってくる。
しかし、母親を見る少女の横顔は気高く輝き、全てのものに祝福を与えているかのようである。
さっそくムンクの画集を買うと、「病める子」はムンクにとっても重要な作品であり、当然取り上げられていたが、大きなカラー画像で見ると、さらに美しかった。
その他のムンクの作品にも、大いに心惹かれるものが多かった。なんだか騙されていた感じである。

ところで、以前、池田満寿夫さんの本で読んだが、ムンクは油彩絵の具の使用方法に問題があり、保存状態が必ずしも良くはないらしい。
しかし、その荒れた感じが、ムンクの場合はさらに深みを増すのだから面白い。
「病める子」は、特に修正を繰り返したものであるらしく、絵の具の状態としては良くないのかもしれないが(修正そのものが悪いわけではないらしいが)、この絵に関しては、そんな不安は全く感じさせないように思う。
こんなきっかけで、ムンクの大ファンになってしまった。

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