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2006.09.03

絵は趣味か?

岡本太郎は、絵は趣味的であってはならないと言ってたが、私もそう思う。
確かに、学校の馬鹿げた美術教育のせいで、絵を描くことが海外旅行より特殊なものになってしまっているので、趣味ででもやってみるのは良いことなのかもしれないが、絵が趣味というのは何か違和感があるというかもったいない。

例えば、空手や柔道の訓練をしている者にとって、これが趣味である場合もあるとは思うが、多くの場合は単なる楽しみではない目的があると思う。
読書が趣味という人も多いと思うが、趣味の読書とはハリー・ポッターのような面白い小説や、心を麻痺させるロマンス本、あるいはあまり中味はないが売り上げ部数のみを目的に面白く書いたものを読むことであり、慣習的に「趣味」と言ってはいるが、それらの読書とは全く異なる読み方をする者も珍しくはないと思う。

絵はいかなる描き方をしても、楽しいという面はあるとは思うが、趣味と限定した思い込みを持たない方が良いと思う。
そして、素人が絵を描く場合は、絵は習わない方が良いと思う。教師に教われば、一般的に評価されやすい描き方を教わると思うが、これにより狭い枠にはめ込まれる危険がある。そのおかげで、十分な想像力が発揮できなくなる。
習いに行けば、描くテーマも制限され、自分の描きたいものが描けない場合も多いと思う。絵は描きたいものを描くのが一番である。
絵の教本は数多く売られているが、あくまで参考にするのは良いが、プロの商用画家にでもなるのでない限り、あまり真面目に見ない方が良いかもしれない。あきらかに偏見と思われる教本もあるし、そもそも、これらの多くはあまりに細かく厳格で、とても素人の手におえるものではない。
ある有名な画家が書いた絵の描き方の本を買ったが、いかにも、素人さんにも楽しく学べるような前書きのすぐ後に、「まず最初の10の課題」とか示していたのだが、私はそれを見てめまいを感じた。どの1つも、とてもではないが取り組む気になれない大変そうなものだった。
私が唯一楽しく愛読できたのは、池田満寿夫さんの「池田満寿夫の人物デッサン」だった。非常にユニークなテキストで、池田さんが知っていることを書いたのではなく、池田さん自身が新しいことにチャレンジした記録のようなもので、絵を描くこと自体が新しいチャンレンジである読者と共に、絵の描き方を発見しようという試みの本であった。

私は絵を描くことで、絵の腕前がどうのではなく、仕事であるコンピュータソフト開発の能力も飛躍的に向上した。これは不思議なことではなく、世界的に有名なベティ・エドワーズの「脳の右側で描け」にある通り、絵を描くには右脳を使うことになり、巷に溢れる何の効果もない右脳活性化を謳うトレーニングとは偉い違いである。
ただ、「脳の右側で描け」や、そのワークブックは、とてもではないが実践する気にはなれなかったが(笑)。

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Comments

毎回、興味深く読ませて頂いております。
また右脳の話はとても面白く感心することばかりです。
今日の記事に「池田満寿夫の人物デッサン」の事が書かれてありましたが、
私も初めて目にした時にその「迫力」に驚いたものです。

Posted by: 華文字 | 2006.09.03 06:03 PM

華文字さん、初めまして。コメントありがとうございます。
何処かで見たお名前のような気がしましたが、ランキング1位の方ではありませんか(笑)。
駄文を読んでいただきありがとうございます。
なんと「池田満寿夫の人物デッサン}を読まれたとは、私が喜ぶようなことではありませんが、何か非常にうれしいです。
あの本のおかげで、中学校以来、まったく描いたことがない絵を描く勇気が出たものです。
華文字さんのブログはすごいコメント数ですね。私は友達が少ないので(笑)、あまりコメントがありませんが、暖かいコメントばかりなのでまあいいかな・・・と^^;
やはり華文字さんのお人柄が大きいのだと思います。私は別に見る目があるわけではありませんが、華文字さんの芸術には宇宙の真っ中心を感じます。それを見たわけではありませんが(笑)。

Posted by: Kay | 2006.09.03 09:34 PM

はじめまして
あくまで世の中にあるいろんな意見の一つで
絵は趣味であってこそ自由に表現できると思います。

Posted by: Beauty Color | 2009.01.17 07:23 PM

★Beauty Colorさん
こりゃまた古い記事にコメントいただき、ありがとうございます。
多分、この時は、素人が絵を描く理由は、趣味以外にはないという考え方があまりに世間で強いので、いろいろあるはずだという意味で書いたのだと思います。
アインシュタインだって、自分の物理学は趣味だって言ったこともあるようです。
岡本太郎さんは、絵は趣味というより、呪術と考えていたかもしれません。
宗教的儀式だと考える人もいるでしょうし、それでもいろんな意味で自由な表現ができるかもしれません。

Posted by: Kay | 2009.01.17 09:59 PM

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