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2006.08.11

人の心は本当に謎か?

中村あゆみさんの「キライになれない」という歌の最後の部分の詩は「いつでも自分のこと、一番の謎」である。
自分のことが謎なのではなく、人間の心が謎なのである。他人のことなら分かるような気がしても、それは思い込みである。
ところで、いまだ人の心が謎であることが肯定されるというのはおかしなことである。

ジクムント・フロイトは人間の心を、少なくともほぼ8割方解明していたと思う。もちろん、フロイトにも偏見はあったが、同時代の人々と比べればおそろしく少ないと思う。
アインシュタインは、同時代で最も賢い人はフロイトと思っていた。だから、国連から依頼された「人類にとって最も重要な問題の討論」の相手としてフロイトを選んだ。別にアインシュタインが選んだことが価値があるのではなく、アインシュタインが提起した問題「どうすれば戦争をなくすことができるか?」についてのフロイトの回答を見れば、フロイトが人間を根本的に理解していることがわかる。
8歳児並の幼児思考に留まった者なら、「戦争反対を叫び続ければいいんだ」とか、ジョン・レノンが歌で言ったように「平和な世界をイメージすればいい」とか言うのだろうが、もちろん、こんなものはアリに飛行機を引っ張らせる程に非現実的である。
フロイトの答えは、結論として「それは不可能」であった。そして彼は深い人間心理の理解に基づき、戦争をなくす可能性を持つ案をいくつか示した。その可能性はかなり低くはあり、根気も必要なものであったが、先に上げた妄想論者の主張に比べて100万倍の現実性があった。

ごく個人的な意見として、自分の論は全てフロイトと同じと言いながらも、岸田秀氏は一般に見られる人間の精神活動の範囲においては、100パーセント・パーフェクトに人間心理を理解していると思う。彼が数多くの書籍で行った精神分析の応用は全く矛盾がない。
ただ、彼の精神分析は全く救いがない(笑)。
しかし、このような救いのない本がこれだけ読まれるのであるから、間違いなく本物である。本というのは、妄想の希望を持たせることなしに売れるものではない。岸田氏も、ここらで偽善者になり、「唯幻論的成功法」なんて本を書いたらさぞ売れると思うのだが(笑)。

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