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2006.07.13

誰もジダンを責められない?

ジダンの頭突きについては「自制すべきだった」との声もありますが、それは無理かもしれない。
私は、あの見事なヘッドパットを見た時、瞬間にあることが思い浮かびました。それは、アーサー・ケストラーの「ホロン革命」に書かれてあったことです。
ケストラーは科学ジャーナリストですが、科学の造詣の深い思想家と言って間違いがなく、アインシュタインをして「神様より何でも知っている人」と言わせた天才です。ケストラーは、人類の歴史の中で最も重要な出来事は、広島への原爆投下と言います(彼は、この日を起点にして新しい年号を考えたほどだった)。
ケストラーによると、人間の脳には致命的欠陥があり、野蛮な衝動を理性で制御するのは絶対に不可能だとされます。人間の脳には、魚類脳、爬虫類脳、哺乳類脳が厳然として重なって存在し、人間らしい大脳皮質がそれを頼りなく覆っているものらしい。

そういえば、国連の依頼を受け、アインシュタインが最高の賢者と見込んだジクムント・フロイトとアインシュタインが「人類にとって最も重要な問題」について書簡を交わした際、フロイトは、「戦争を無くすことは不可能」と答えていますが、それも人類の心理学的欠陥を知った上でのことと思われます。その欠陥が、ケストラーの言うように、脳の構造そのものに起因するようでは救いようがありません。実際、ケストラーは人類に絶望して自殺しています。
・・・嗚呼、復帰早々、なんとダークなお話(笑)。

確かに、フロイトや我が敬愛する岸田秀先生によると、本能の壊れた人間は、自然な本能に従って生きていけないので、その代わりに幻想を作り上げた。ただ、幻想であるからには頼りなく、不安定で恐怖から逃れられない。
しかし、岡本太郎のように、あるいはイェイツのように、名誉も安らぎも愛情も、さらには命すら危機に晒し、エクスタシを求める生き方を試した人が、その不思議な強さで、幻想に生きる人々の一部に憧憬を起こさせることもある。問題は、ケストラーやフロイトのように、知でもって解決を探しても、あまり人々を救えなかったことだ。いかに天才でも知には限界があるし、ましてや、彼らと比較にならない手前で思考停止する一般人が幻想から逃れられるはずがない。
まあ、芸術の方も、その親玉である宗教同様、あまり良い話は聞かないが、これも宗教同様、権威者に問題があるのかもしれない。そういえば、宗教や芸術の偉い人って、ロクなものではないですね(笑)。

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