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2006.07.04

日本人の美しき魂

大正時代、清水善造というテニス選手がいた。
私も詳しくも知らないのに何だが、有名な「やわらかなボール」の話はテレビのドキュメント番組で見て知っている。
1920年、ウインブルドン準決勝で、米国の天才プレーヤーT・チルデンと清水善造が対戦した。試合途中、チルデンが転倒した時、清水はチルデンが打ち返せるようなゆるいボールを返した。清水は1、2セットを連取されながらこの第3セットで粘っていたが、このセットも6-7とリードされていた中でのことである。このセットはなんと11-13までもつれてチルデンのものとなり、清水は破れた。
翌年、デビスカップ杯決勝で再びチルデンと対した清水は、今度は1、2セットを連取、第3セットもついにマッチポイントを握った後、清水のサービスエースで勝負は決したかに見えたが、ネット・ジャッジはネットを宣告。悪びれずにサーブをやり直した清水だが、この判定から試合の流れが変わり、なんと清水はまたも敗れてしまった。
しかし、後に当時のネット・ジャッジだったフオーテスクは、ネットの判定が嘘であったことを告白した。

1984年ロサンゼルスオリンピック、柔道無差別級決勝では、山下康裕選手は準決勝で右足を肉離れを起こしながらも、エジプトのラシュワンに勝利して金メダルを獲得した。
ラシュワンは山下の右足を狙わなかったようだ。この話は、世界的にもだが、特に日本人にはうけた。

これらの話に、素直に感動する人がいれば、むしろ批判的に見る人もいるだろう。私もどちらが良いかは分からないし、実際悩む。

「まほろまてぃっく」という漫画・アニメがあるが、地球人よりはるかに進化した宇宙人セイントの侵略に立ち向かうため、人類は究極の戦闘用アンドロイド「まほろ」を開発したが(美少女型というのは漫画・アニメのお約束だ^^;)、まほろの強さは予想以上で、戦況を変えてしまう。一方、セイントも戦闘用アンドロイドの開発を行い、理論上、戦では無敵の戦闘用アンドロイドであるリューガを生み出す。そして、ついにまほろとリューガは交戦するが、わずか2分あまりでリューガはあっけなく破れる。しかし、後一撃を加えればリューガを破壊できたはずなのに、まほろはそれをせずに去る。リューガは、まほろのその行動の謎を解くために腕を磨き、数々の戦闘で戦い抜き、ついにまほろと互角に戦えるまでになる。

譲り合いというのとは違うだろうが、日本には「武士の情け」とか「謙譲の美徳」というものがあり、強く勝負に執着するはずなのに、勝負より大切な心のあり方を求めるところがある。
ただ、電車のドアがあくと、降りてくる人の間をぬってわれ先に入り込む人を見ると、すでに日本人に美しき心はなくなったとも思う。

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