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2006.06.04

夢は必要か?

これまで、夢を持つことが、さも良いことであるように思わされてきたと思う。
「夢を持つことこそ生きる証し」「夢も持たない人とは付き合わない方が良い」とまでよく言われてきた。
一方で、甘えた若者が「夢を持てないんですよ」と、世の中に文句を言ったりする。

実は、私も夢(あるいは目標)を持つことが素晴らしい人間の条件と思い続けてきた。
しかし、いったん、そんな洗脳のほころびが見つかると、そんなのは嘘であることがあっけなく明らかになる。

まず、最初に疑問を持たせてくれたのは、心理学者の岸田秀氏である。彼は「私は生きる目的なんかない」と堂々と宣言する。「なら、なぜ生きているんだ?」という愚問が当然来る。「生きるのに目的が必要なのは、不安だからだ」とあっさりと答を出す。
養老猛司氏も、生きる目的なんて馬鹿なことを考える暇があったら、身体を使って働けと言う。何にでも目的があると思うのは、人工物に囲まれて暮らしているからだと言う。

私は、ただ1つのメルマガを読んでいるが、それは、ソフトブレーンが出しているもので、内容は宋会長のお話だ。知らない人も多いと思うが、ソフトブレーンは、あのライブドアと一緒にマザーズに上場し、確か2004年に東証一部に上場した。中味の何もないライブドアと違い、しっかりとした素晴らしい技術を持つ会社だ。
著作権があるので、中味は言えないが、宋会長も、しょっちゅう「夢は何ですか?」と聞かれて困るらしい。そんなものは無いのだから。
私も同意なのだが、「成功したい」「お金持ちになりたい」というのは、夢というよりは本能、岸田秀氏らしく言えば、不安の解消、いや、不安からの逃避である。

こうなると、いろいろ思い出すことがある。ある成功した企業家は、その事業を始めたそもそもの動機は「タバコくらい吸えるようになりたい」だった。
私は宋会長にも運良く二度ほど会っているが、大人物というのは、動機というものが本当に常識的なことばかりである。
しかし、アメリカには、夢を持たせ、それを達成するための驚くべき高価な教材が沢山あり、日本にもかなり入ってきている。また、成功セミナーみたいなものは日本にも数多いが、そんなもので幸せになったという話など聞いたことがない。
最近も、変な成功屋が「目標を見つける」ための馬鹿高いプログラムを売るためにおかしな本を沢山出しているが、みなさんが騙されないよう祈るのみである。私はずっと騙され続けたのだが・・・。

ある大物ミュージッシャンが、「ミュージッシャンなんて、街角でハーモニカを吹いていられたら満足なのさ」と言っていたが、道を究める人とはそういうものと思う。

20060604

久し振りのラクガキ。
クリックすると大きな絵が出ます。

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