« 夢は必要か? | Main | クーラーの季節 »

2006.06.05

親の収入と子供の学力の関係

子供の成績や学歴は親の収入の影響が大きいとよく言われますが、私もそれはそうだと思います。ただ、私は、東大生の親の収入が平均より多いとかいう調査よりは、現在の学習塾を見ればもう明らかと思います。優れた学習塾の学校設備や教育・受験ノウハウ、教員の質は、一般の公教育とは比べものにならないほど勝っています。日頃の学習もですが、特に受験となると、良い学習塾や予備校に行く生徒とそうでない生徒では、あまりにハンデがあるように思われます。
しかし、良い塾に行くにはそれなりにお金もかかります。月2~3万円で、そこそこ(あるいはかなり)の塾に通えますが、この支出が何でもない家庭もあれば、出すのは無理という家庭もあります。また、さらに塾の用意する追加オプションを利用すれば明らかに効果的なことが多いですが、その場合は支出はさらに増えます。最近は個別指導の塾(先生1人に生徒2~3人)も人気がありますが、こちらはやはり月謝はやや高めです。

悪い条件で努力することも非常に良いこととは思います。今では考えられませんが、昔の本を読むと、家で夜に明かりを灯すお金がないので、街燈の下で勉強し、優秀な成績で学校を出た人の話もあります。ただ、これはやはり高校生以上の話であり、また、当時は貧しい人のハンデはこのように「夜、家で勉強できない」というだけのこと(大変なことではありますが)でした。

アニメにもなった、コゲどんぼさんの漫画に「ぴたテン」というものがあり、この中で、綾小路天(あやのこうじたかし)、通称「天(てん)ちゃん」と呼ばれる小学6年生の少年が登場します。美少年でスポーツ万能、おまけに全国模試のトップランカーという非の打ち所のない少年で、性格も良くて女の子にもモテます。しかし、彼は一切の塾に行っていません。また、あまり勉強もしていない雰囲気です。
アニメでは、単に素晴らしい少年であるからということになっていますが、漫画の方ではいろいろ複雑な事情がありました。天ちゃんは、友達がみんな塾に行っているのを実は羨ましく思っていたのですが、彼の父親が事故で寝たきり状態になり、母親が働いてなんとか生活している状況では塾の月謝は払えません。しかし、負けず嫌いの彼は、勉強をしていないふりをして、家では深夜まで懸命に勉強し、トップの成績を保っていました。
ところで、現実として、このようなことが可能かと言いますと、かなり難しいです。学習塾の指導ノウハウなら短時間で楽にできることも、いかに優秀とはいえ、小学生1人が我流で対抗できるかというと、ちょっと信じられません。
ところで、天ちゃんは、そうやってがんばりますが、お金持ちで沢山の塾に通いながら彼に勝てない子達には嫉まれたりと大変です。そして、彼がそれほどがんばって努力する大目標であった私立中学の受験の時期が来ますが、父親は回復せず、母親に私立中学を断念するよう頼まれます。それでも彼は諦めきれず、アルバイトで受験費用だけはなんとか作ると、母親には内緒で願書を出します。
まあ、実際には、こういった苦労をした経験の方が人生においてずっと役に立つのでしょうが、いろいろなことで条件が不利になる場合もあるかもしれません。

最近、塾に行けない子供のために、定年退職した教師が無料で教える「公立塾」を文部科学省が実施するという話を聞きましたが、優秀な私塾とのあまりの差は明らかとしか言いようがありません。「行かないよりマシ」程度の効果も怪しいものです。もしかしたら、「行かない方が良い」かもしれません。だって、年を取って考え方も古く、頭もボケてきているかもしれない「元」教師です。情熱もなく、我流で教え、子供たちの学力を低下させた人たちが何かの役に立つのか疑問です。定年教師の再教育や選抜に関する話もありませんので、やはりあまりに無邪気な企画というべきと思います。

|

« 夢は必要か? | Main | クーラーの季節 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 親の収入と子供の学力の関係:

« 夢は必要か? | Main | クーラーの季節 »