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2006.06.23

映画の美術表現

言うまでもありませんが、昔から映画においても美しい映像が追求され、ローテクの時代のものであっても、現代の人の鑑賞に十分に耐えるものも少なくありません。
私が、映画で最も気に入っている映像は、黒澤明監督の「夢」の第2話「桃畑」にあります。このお話は、黒澤明監督自身が子供の時に見た夢の映像化のようです。
桃の木の精達が、桃畑で踊る光景の美しさはこの世界とは異質なもののようにさえ思われ、幽玄の世界の様子を見たような印象を持ちました。
最近のハリー・ポッターやスターウォーズシリーズ、あるいはロード・オブ・ザ・リングなんてのも素晴らしいのでしょうが、私は見ていません。
国内の作品では写真家、映像クリエーター(なんて職種で良いのかな?)の紀里谷和さんが監督をした「CASSHERN(キャシャーン)」が映像に凝った作品でしたね。正直言って、私はこの作品は映画としては全然良いと思わず、DVDは買ったのですが、2度見ようとは思いません。しかし、さすが紀里谷さんで、時々、非常に素晴らしい映像がありました。ロボット軍団との戦闘シーンに関しては、個性的でそこそこ迫力がありましたが、どこか安っぽい。良かったのは、東家と上月家の合同記念写真(?)のシーンで、どこかミュージシャンのプロモーション映像と通じるような感じで、エキスパート振りが見られたような気がします。いえ、ちょっと、上記の「桃畑」の桃の木の精達の舞踊シーンを思い出したほどです。
サグレーやバラシンとの対決映像は見ごたえがあり、やはり紀里谷さんは人間を美しく表現するのがお得意なのかもしれません。

ところで、「CASSHERN」は、映画としては、特にストーリーはどう考えても良いと思いませんでしたが、メイキング映像の特典で実に素晴らしいものを見ました。
紀里谷さんがスタッフに「問題があったら、黙ってないでどんどん言った方が良い。言わなくても、どうせ最後には全部出てくるんだから、さっさと言うほうがいいんだよ」と言ってたのが実に胸を打ちました。これは、映画監督というよりは、やはり写真家・映像作家としての経験だと思います。この10秒のシーンで、DVDを買ったかいがあったと思いました。

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