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2006.06.28

ナイフを持つ少年

かなり前ですが、キムタクがドラマでバタフライナイフを持っていた姿がカッコ良くて、真似してナイフを持つ中高生が増えたということがありましたね。
キムタクの件はきっかけであり、テレビ等のインタビューでも、キムタクとは関係なく、持ちたくてナイフを持っている人が多かったように思います。
で、中高校生の男子にナイフを持つ理由を尋ねると、「護身用」とか「自分が強くなったような気がする」という答が多かったように思います。
ところで、刃渡り6センチ以上の刃物は、正当な理由なく持ち歩くことは銃刀法に違反するようです。そして「護身用」は正当な理由とは認められません。釣りやキャンプで使うために持っていく場合でも、現地に着くまでは完全に梱包する義務があります。

で、ナイフを持つ動機ですが、「自分が強くなったような気がする」という者に対しては概ね批判的な論調が多く、「単なる思い込み」「全然強くなんかならない」と言われたりしていましたが、私はちょっと異論があります。
ナイフを持って強くなったと思えるなら、それも1つの手かと・・・。もちろん、不正な使用はいけませんが、家で持っているだけなら悪くはないと思います。
健全と思われる考え方では、「強くなる」とは、訓練や実戦を通して、確固とした実力を付けることを言うと思います。一生懸命勉強して成績の良い生徒になるとか、空手道場に通って空手を身に付けるとか、あるいは、仕事に就いてその仕事をマスターし、有用な人間になるとかです。それに最も成功した例とされるのが、オリンピックで金メダルを取ったり、大リーグ野球で活躍したり、サッカーW杯に出たり、あるいは、ビジネスで成功してお金持ちになるとかですね。これらの「本当に強い」ことに比べ、ナイフを持った程度で何を偉そうに・・・という感じですね。

ここで、ちょっと妙なことを言いますが、学業、スポーツ、芸術、ビジネスなどで、どれほど華々しく活躍し、実力を認められても、人は強くなんかなりません。これら成功者が、不安がなく、精神が落ち着いているかというと、それは絶対にないのですね。
それこそ、羨望の的となるほど成功した人が、一本のナイフを自己の支えとしているということも有り得ることです。
ましてや、自己の強さを証するものを何も持たない中高生が、心に不安を持ち、人生に希望を持てないとしても当然で、それがかえってロクでもないことをやらせるものでしょう。
ところで、人間ってのは、確かに鋭い爪も強力な牙もないですが、ナイフを持ってれば、いくらかは補えるわけです。ただし、下手に護身用に持ってるとかえって危ないことになる場合もあり、ケガで済むところが殺されることになったりします。

世界でゴッドハンド(神の手※マラドーナのことではない^^;)と呼ばれた不世出の空手家、大山倍達氏(故人)は、子供の頃、拳法を教わった韓国の男性に、「さやの中の刀さえピカピカに磨いていたらいいんだ。それを抜くのは、一生に一度あるかないか・・・。ないに越したことはないのだ」と言われたのをずっと憶えていたと言います。
それとナイフを持つことに多分関係はありませんが、心の問題としたなら、何か通じるものも絶対にないわけではないのではと思います。
良いナイフであるほど、持てばいくらかでも力は実際には上がります。しかし、それを見せたり、ましてや行使することなく、その力を内に秘めれば、心に力が生まれるようにも思えます。野球選手になってしまえば、常に力を発揮することを要求されますので、結構厳しいかなと思います。しかし、上に書いた、大山氏の先生は、実際は大変な強者でありながら、子供の頃の大山氏の家の使用人の中でも下っ端に甘んじ、使用人仲間にまでいいように使われ、馬鹿にされても一向に気にかけなかったそうです。年配になった時ですら、大山氏は、あの強さは持てなかったと言います。

もし、ナイフを持つなら、良いナイフをじっくり選んで入手して下さい。2~3万円も出せば、腕の良い職人の手作りナイフを買うこともできます。見かけだけで選ぶのではなく、心に尋ねて、本当に気に入るものを選びたいものです。
実際、ナイフは良いものです。美しさと実用性を併せ持ち、真面目に研究すれば得られるものも大きいです。別段、華麗な装飾を施しているわけでもないナイフでも素晴らしい美術品であることもありますし、そもそもが自分が美術品だと思えばそれで納得できるという性質は、絵や彫刻以上かもしれません。
それと、ナイフを使うことで得るものも当然多いです。多少、指でも切って痛い目に遭いながらも、実用的に使えば、妙な用途で使おうとは思わないものです。そんなことを知っているから、子供に小さい頃からナイフを与える人もいるようです。
ナイフとは別のものを心の支えにしている人もいます。占いとか、宗教とか、妙な成功法則とか(笑)、細木数子とか(爆)。個人的意見では、これらの人に比べ、ナイフを心の拠り所にする少年の方が余程マシな気がします。
何かの本で読みましたが、大きな銃を持っている大人より、ナイフを磨く少年の方が不気味だそうです。

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