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2006.05.23

ついでの話

「ついでの話」というものがある。特に大事なことではなく、言っても言わなくてもいいのだが、ちょっと時間が余ったから言っておく程度のものである。
ところが、この「ついでの話」というのが案外良いことがある。立派な先生が力を入れて講義をした話より、「ついでに言っておく」と前置きした話の方をよく憶えているというのは、よくあることだ。
絵画なんかでも、画家が思いの丈(たけ)を込めて描いたわけでもない「ついでの絵」が非常に好ましいものになることもあると思う。違うかもしれないが、ピカソの「ル・ボック」(後にピカソの秘書になるサバルテスの肖像画。ビールの大ジョッキを手にした青年の単純な絵である)なんてそんな絵と思う。

「正法眼蔵随聞記」というものがある。弟子の懐奘が、道元の言葉を綴ったものだ。道元には「正法眼蔵」という素晴らしい著書がある。しかし、これは非常に難解で、たとえ解説がついていても、その解説が適切かどうかも分からない。
だが、この「正法眼蔵随聞記」(略して「随聞記」ということもある)は割合に易しい。易しいだけではなく、素晴らしい。そして、仏教学者のひろさちやさんによると、この随聞記は、ほとんどが道元が弟子に言ったついでの話であるらしい。

我々でも、「ついでに読んだ本」「ついでにやった訓練」「ついでに考えたこと」が案外役に立つことがあると思う。ついでに雇った社員が大きな功績を残すこともある。あまり見返りを期待しない態度というものが案外良いのかもしれない。

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