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2006.04.24

大洋感情と芸術

みなさんは、ロマン・ロランの言った「大洋感情」を経験したことがあるだろうか?
没我的、神秘的な感情で、宇宙との一体感として知られるもので、この上もなく幸福な感情と思う。
ただ、フロイトに言わせると、これは乳児の母親や外界との区別がつかない段階への退行であり、恋人との完全な一体感もそれと同様と言う。
なにせ、フロイトによれば、恋している状態は一種の狂気であり、「精神病の正常な原型」と言うことである。
すなわち、フロイトによれば、大洋感情は幻想である。
ただ、実際に大洋感情を経験した人は、人生で最も深遠な瞬間であり、世界やあるいは自分自身に対する見方を変えてしまうほどであるとし、フロイトの説明に納得しないようだ。
ドストエフスキー、エリオット、ブレイク、そして、イェイツなど、超一流の作家の作品には大洋感情と同じと思われる記述は必ずあるようだ。
そして、それは、心理学者のアブラハム・マスローが説いた「至高体験」であることは間違いがないと思う。
私は、岡本太郎の言った「爆発」も至高体験や大洋感情だと思っている。
イェイツは芸術の目的はエクスタシーであると考えていたようだが、最大のエクスタシーとは大洋感情であることで、やはり岡本太郎と同じことを言っているように思う。
ただ、至高体験は誰でも経験していることであり、また、誰にでも経験できる。それは、極端な苦しみや極端な緊張から解放された瞬間に感じることが多いと聞くが、いろいろな場合があるようである。芸術家を目指す人なら、その体験を憶えておきたいものと思う。

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