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2006.04.27

人工知能の古い夢

artという英語は、当然、芸術、美術という意味があるが、技術、技能という意味、あるいは、人工という意味もある。
人工知能はArtificial Intelligenceとなる。
昔のSF映画などで、宇宙人との戦いの中で、戦略をコンピュータに解答させるというものがよくあったと思う。そこで出てくるコンピュータは、磁気テープが常に回転していたり、LEDがピカピカ点灯し、カードで入力したり、紙テープで出力されたりするし、CRT上で解答するにしても単純なテキスト文字であることから、今日のパソコンよりはるかに下の性能であると言って間違いないと思う。
実際、昔の(1960年代以前)作家達はもちろん、科学技術者でさえ、現在のパソコンを想像することは不可能だったと思う。
1980年に、アラン・ケイが今日のGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)とほぼ同じシステムを作ったのは驚異的なことであり、その後10年位は、たとえ職業でコンピュータに関わっているような人にもよく分からないものであったはずだ。

昔のSFであったように、コンピュータが考えて戦略や行動基準を示すことが可能なら、現在のパソコンでそのようなことが行われていても不思議ではないが、誰もそんなことはやっていない。
知的な解答を導き出すためには、考えるソフトウェアである推論エンジンと、十分なデータである知識ベースが必要だ。早い話が、少なくとも膨大なデータを「いい形」でコンピュータの記憶装置に登録しないと、何か有意義な解答が出るはずがない。
しかし、膨大なデータを入力していたら、それに目を通した人間の方がよっぽどマシな答を思いつくものである。
せいぜいが、株価のデータの変動を見ながら、統計的にその後の変化の予測をし、加えて人間の経験やあいまいデータを考慮して儲かる取引をするくらいだ。この場合も、あいまいなデータから、重要ポイントを見抜くのはやはり人間の知恵である。
コンピュータは恐るべき速さで進歩したが、コンピュータに対する人間の認識も進歩しているとしたら、昔のSF映画を見て苦笑するものだと思う。

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