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2006.03.29

世界に一つだけの花症候群

単に1つの思索である。SMAPファンの方は気を悪くなさらないで欲しい。私とてツヨポンは好きである(笑)。

SMAPの「世界に一つだけの花」が空前の大ヒットを記録したのは記憶に新しいが、オリジナルの他にピアノ弾き語りヴァージョンやα波オルゴールヴァージョンとかもあるらしい。この曲は、若い女性だけでなく、中年男性にもファンが多いと聞く。
しかし、この歌を聴いた時、うそ臭く感じるくらいが丁度いいと思う。

「ナンバーワンにならなくていい」
これは人の勝手であるので、別に構わない。
たまたまWBCで日本が優勝したが、そうならなかったとしても、こういう気持ちで暖かく迎えてあげて欲しいものである。

「もともと特別なオンリーワン」
これは嘘である。「オンリーワン」というのは正しい。しかし、特別ではない。
「特別」というのは、「特に他と区別されている」「一般と特に異なっている」という意味である。
ところで、「特別なオンリーワン」というこの部分は、この歌が心地良いカラクリである。
なぜなら、誰でも自分を「特別なオンリーワン」と思っていた時期があるからだ。
精神分析で「原始的ナルシシズム」と言われるもので、人間は幼児の時、自分が誰よりも重要で全知万能と感じているものである。
「原始的ナルシシズム」は「特別なオンリーワン期」と言ってよい。

ところが、成長した後でも、この原始的ナルシシズムに逆行することがある。これを「自己愛性退行」と呼び、幼児の頃の全知万能の妄想が復活する。その人間の特徴は、他人の感情に鈍感で、傲慢であり、自分の客観的価値におかまいなく絶対的尊敬を求め、嫉妬深く怒りっぽい。
これって・・・いまやフツーに見られる人たちの特徴ではなかろうか?
混雑した駅の道を携帯電話を見ながらノロノロ歩いて平気(他人の感情に鈍感というより、他人の感情の存在を認めない)、実力通りの(低い)扱いを受けると自尊心が傷付きキレる。自分だけは何をしても許されると信じており、電車の中で通路に群れて座ったり、席についても大股を広げて座る。これらはマナーの問題でなく、幼児の特徴である。

なぜ、幼児的ナルシシズムに満ちた人が多いかというと、やはり親が何でも要求を満たすので、そもそも幼児のまま大人になったこと。
そして、原始的ナルシシズムに退行するのは、障害に出会った時に、それに正面から取り組まずに幼児的全知万能幻想に閉じこもるために起こるのが一般的であり、困難に挑戦せずに逃げてばかりいるためであろう。

「世界に一つだけの花」は、自分が特別なオンリーワンであるという幻想に生きる幼児性ナルシシズムの人間が多いために大ヒットしたのではないだろうか?
TVでも、SMAPが歌う舞台の下で、平和そうな何も考えていない顔で踊る若い女性達を見ると、思わずそう感じてしまった。

私の勘違いであれば良いと思う。

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Comments

はじめまして。

そうですね。勘違いでは無いと思います(笑)
私も同じくツヨポンは好きですが、この歌には
いやらしい自慰のにおいを強く嗅ぎつけました。
これが芸術作品というのであれば、
かなりグロテスクです。酷いよ、JPOP。
もっと耐久性のある作品作りを心がけて
いただきたいですが、アートのマーケットは
貪欲ですからね!

失礼します。

Posted by: Sufif | 2006.04.01 02:21 AM

Sufifさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
そろそろ罵倒のコメントでも付くかと思っておりましおたが、ツヨポンは好きでもこの歌にはノーの方がちゃんといて、大変に嬉しいです。
耐久性・・・この歌が50年後残ってたらそれこそ恐いですね。

Posted by: Kay | 2006.04.01 06:21 AM

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