« 自分で書いたバイブル | Main | 荒川静香フィーバー(熱狂)の陰 »

2006.03.03

運命愛

随分古いアニメだが「魔法のマコちゃん」という、アンデルセン童話の「人魚姫」をモデルにしたものがある。
「人魚姫」と違い、人魚のマコは、王子様ではなく普通の青年が嵐の海で沈没した船の乗客を助ける中で力尽きて溺れていたのを救い、彼を恋慕うあまり人間になるというお話だと思う。
このアニメの最終回で、マコはこの青年に「私はマコ、あなたを愛するために生まれた」といったようなことを言う。
何か、よく聞くセリフであるが、考えてみれば、恐ろしいセリフであることに気付く。

「あなたを愛するために生まれた」というのは誰の意思であろう?
マコ自身の意思と取れるが、それなら、霊界で魂のような状態であった時、この青年との出会いを予測したか、神のような存在に教えられて、彼を愛するという目的のために自らの意思で生まれたというのだろうか?
あるいは、彼を愛するという目的そのものが神の意思であったという意味であろうか?
いずれでもないと考えられる。
マコの意思でも、神の思し召しでもない。
マコと青年との出会いは偶然である。だが、マコは、その偶然を自らの意思とした。決して神の意思を受け入れたというわけではない。

この世に起こることを、神の知られざる目的として受け入れるのは易しい。しかし、自らの意思として愛するのは難しい。
これは、ニーチェが「運命愛」と呼んだもので、この世界を何の意味も目的もないものとみなしながら、なおもそれを崇拝し愛するというものであり、それが出来るのは強者である。
喜ばしい出来事だけでなく、いかなる悲惨な出来事でも同じように自らの意思とするのである。繰り返すが、神の思し召しとして、無理やりに受け入れるわけではない。
この時、人は神に限りなく近づく。あの時のマコの姿は神のようであった・・・と思う。単にキラキラヌードが眩しいだけさ・・・とか(^^;;

|

« 自分で書いたバイブル | Main | 荒川静香フィーバー(熱狂)の陰 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 運命愛:

« 自分で書いたバイブル | Main | 荒川静香フィーバー(熱狂)の陰 »