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2006.02.15

「人を動かす」で人を動かせるか?

いまだデイル・カーネギーやナポレオン・ヒルの書籍が書店にあるのを見て苦笑してしまう。
私の知る範囲では、これらの愛読者は無能を絵にしたようなヘンな人ばかりであるが、私はそうであることを納得できる。

今回はデイル・カーネギーと、代表作「人を動かす」をあげる。
この本の主旨は簡単に言うと、人間の最大の欲求は「自己重要感」であり、自分が価値ある人間だと思いたいという願望は生や性の欲求より強い本能であるというものである(ちなみに、ナポレオン・ヒルは性の欲求を第一としている。巨頭同士の間でも最大のポイントにすらあっさりと矛盾があるわけである)。
つまり、人を動かすには、この最大の欲求である自己重要感を利用すれば良いことになる。
簡単に言うと、「アンタは偉い、アンタは優秀だ、アンタは必要欠くべからざる人間だ」と認める態度をとれば、相手は自分の言いなりというわけである。
そう思わせるには方法は2つ。1つは、へりくだって見せることで相対的に相手の価値を上げる。もう1つは褒めることである。
で、この本に書いてる通りに実践する愚か者も見たことがある。
しかしね、へりくだるとか褒めるとか言っても、相手に敬意を持ってのことでなく、相手を自分の都合のいいように動かそうなんて下心でやるわけだから、醜悪の一言であった。
そのへりくだっている様子は下心のために卑屈にしか見えないし、褒め方もわざとらさしいおよそ的外れなもので、褒められた方が不快感を感じるくらいである。

尚、自己重要感を渇望するという人は、精神的に幼児の段階にとどまり大人の自我を確立できていない人のことである。ちゃんとした大人になれば、他人の評価にそんなに目くじらを立てる必要もないと知っているはずだ。
つまり、「人を動かす」は、人を幼児のように扱えというものであり、なるほど幼稚な人間に対しては効果があるかもしれないが、それが何になるというのだろう。新興宗教の教祖になるには多少は役に立つかもしれないが。

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