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2006.01.24

風説の流布

ライブドア事件で「風説の流布」なんて面白い言葉が知られるようになった。
虚偽の情報や未確認の噂を流布する(世間に広める)ことを言い、証券取引法によって禁止されている行為である。

で、ライブドアや証券とは全く関係ないところでも、「風説の流布」なんてあまりにありふれている。「占い」なんてその典型であると思うが、むしろ風説の流布でないことを探す方が難しいかもしれない。別の言い方では「洗脳」であろう。

で、今回は、変わった「風説の流布」にスポットを当てよう。それは、

若い男性の部屋にはエッチな本やDVDが必ずある

というものである。
古くは、漫画「めぞん一刻」で五代君の部屋にいっぱいあったのが暴露され、シティーハンターの冴羽獠(さえば・りょう。難しい字だ)の部屋にもエッチビデオ(当時はDVDはなかった)が大量保管されていた。福山雅治が若い頃(今も若いが)出演したドラマでも、彼の演ずる若者はエッチビデオを愛用していた。

こういったストーリーを組み入れることで、世間に「そんなもんだろ」「やっぱりな」という風説が流布されると共に、エッチな本やビデオが好きだが気弱な青年が「あんないい男(五代君もある意味いい男だ)でもやはりそうなんだ」と安心することで、漫画やドラマの好感度も上がる(これらの読者、視聴者も無視できないのだ)。

しかし、これらはやはり風説であり、真実ではない。
まあ、ずいぶん前から、青年誌と言われる漫画雑誌や週刊雑誌等にもかなりエッチなグラビアが普通に載っているが、限度以上に猥褻な(私も詳しいわけではないが(笑))ものを集めている青少年はそんなにいない。モテる男ほど、やはりそうである。

ただ、エッチなグッズの収集が悪いという話をしているのではない。
それら風説による、1つの大きな効果として、青少年の「自己嫌悪感の緩和」がある。
イエスのように「邪な目をもって女性を見れば姦淫したも同じ」なんて戒めを気弱な青年が聞けば自己嫌悪に陥る。しかし、「いい男、健康な男もみんなそうなんだ」という風説が流布すると気楽になるというものだ。
ところが、この自己嫌悪なんて奇妙なものだ。なぜこんな感情が起こるのかというと、

自分は高尚な人間だと誤解している

からなのだ。その高尚なはずの自分と、エッチな本やDVDを集める自分との差に悩んで自己嫌悪するのである。
妙な話である、エッチな本を集める自分が本当の自分であり、そんなことをするはずのない高尚な自分は作り物の幻想なのだ。
世間でよく「自分探し」とかいうが、こういった本当の自分を認識することが自分探しであるはずなのだが・・・。

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Comments

始めてお邪魔させていただきました。
男性がエッチを求めるのは本能です
子孫繁栄のための行為です

ですからエッチな気持ちを抱かない方が
おかしいのでは?

まあ「私はエッチです」と胸を張る必要も
ないですがね。

Posted by: speeria | 2006.01.25 01:50 AM

speeriaさん、コメントありがとうございます。

>男性がエッチを求めるのは本能です
>子孫繁栄のための行為です

一般的にはその通りです。
しかし、人間の性欲は本能ではないという医学、生理学の専門家も多く、なかなかの根拠があります。
ここで細々は述べませんが、文化と接することなく育った野生児は全て性的関心を持たないということもあります。
人間の性欲は文化的な作り物であると考える研究者もいます。私も、以前は性欲は本能だと何の疑いも無く信じていました。そうでないとは断言しませんが、肯定するにはあまりに矛盾が多いことも確かです。
詳しくはそのうちおいおい書くかもしれません。

Posted by: Kay | 2006.01.25 09:49 PM

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