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2006.01.09

動物は死を恐れるか?

犬や猫が死ぬことを恐がるだろうか?
それはまずありえない。
しかし、「そうはいっても、死ぬ前の犬や猫は悲しそうだったり、恐がっているように見えた」と言われる方もいるだろう。だが、それはあくまで、人間の側でそう感じるだけである。飼い犬や飼い猫が死ぬのは事故の場合を除き、老衰か病死と思われるが、体力がなくなった弱々しい様子に、人間の感情が重なり、犬や猫も悲しんでいたり、恐がっているように見えるということなのだ。
また、子供を育てている動物の母親が、適うはずのない強敵に勇敢に向かっていくこともあるが、その際にも母親は特に悲壮な決意で立ち向かうわけではない。本能がアドレナリンの分泌を増大させて興奮状態となり、敵と認識したものを攻撃するだけである。
そもそも、なぜ人が死を恐れるのかを考えれば、動物に死の恐怖がないことが分かる。
人間が死を恐がるのは、未来がなくなるからである。そして、未来が分かるのは過去を認識するからである。動物は過去を意識しない。常に現在しかない。

そして、人間でも「勇者」といわれる者には死を恐れない者がいる。そして、意図的に死を恐れない兵士を作ることも行われる。どうやるか?それは、動物と同じで「過去」を意識させないようにするのである。
人間の過去とはなんであろう?所詮は想像でしかないのである。そして、それは圧倒的にマイナスの想像である。うれしい思い出は色褪せる。よって、その喜びや興奮を保つためには、嬉しい出来事の想像を拡張し続ける必要がある。若い頃に決めたサッカーのシュートの距離が自慢するたびに長くなるようなものだ。しかし、悪い思い出は、鮮明でしつこい。そして、ご存知のように、悪い思い出は消そうとすればするほど鮮明になる。
「彼の過去を知る者はいない」といった言葉を聞くと、マイナスの出来事を思い浮かべる人が多いはずだ。
つまり、死を恐れない兵士を作るには、巧妙な手段で過去の悪い思い出を消せば良い。実際には、悪い方だけでなく、記憶そのものを消してしまう。記憶は想像であると上に述べたが、すなわち、想像力を消せば記憶も消えるのである。
宮本武蔵は「我、事において後悔せず」という名言を残したらしいが、これが死を恐れない精神を作ることも納得できる。「後悔」するような悪い思い出を想像上に上らせない秘訣を見つけたらしい。彼の強さは想像に難くない。

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