« 芸術の嘘 | Main | 芸術家と至高体験-芸術は爆発だ- »

2005.11.17

ハッカーが語る美術と教育

「ハッカーと画家」(オーム社)という本がある。
ハッカーとは独創的で優秀なコンピュータプログラマのことで、ネットワークからの不法侵入やそれに加えて破壊活動や不正情報入手を行うのはクラッカーと呼ぶのが正しい。
この本の著者ポール・グレアムは真正のハッカーで、本人いわく「オタク」である。
ポールは、大学院でコンピュータサイエンスを修めた後、美術学校に入って絵を学ぶ。そして、コンピュータプログラムと絵を描くことは根本的に似ていると考える。

ところで、この本ほど教育問題を鋭く正確に考察した本を私は読んだことがない。
アメリカの学校も日本と似たような事情である。
学校関係者は是非一読をお奨めする。学校や教師にとってあまり良いことは書いていないと思うが、何事も現状の問題点を認識してこそ進歩があるのだ。思うに、学校というものが100年以上ちっとも進歩せず、かえって劣悪化している原因はそこにある。たとえば、教師による教育問題のブログやBBSもよく見かけるが、そこでは教師どうしが褒めあっているのである(笑)。これでは駄目である。

また、著者自身も身にしみたらしいが、オタクがなぜモテないかも的確に分析してくれている。自分のことすら冷静に分析できる人間は賢いものだ。(ただ、写真では彼自身はハンサムでモテないタイプとは見えないが。)
合理精神と論理性の権化である彼の思索は知的でぐいぐい惹きつけられる。その明晰さで、彼はITベンチャーを成功させ、その企業を売却し巨大な利益を上げた。つまり、彼の知性は実際的であったという証拠である。そして彼のこの美術と教育に関する考察も実際的である。

|

« 芸術の嘘 | Main | 芸術家と至高体験-芸術は爆発だ- »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference ハッカーが語る美術と教育:

« 芸術の嘘 | Main | 芸術家と至高体験-芸術は爆発だ- »