芸術の誤解
イチローのバッティングを「芸術的」と聞くことがよくある。
このことも芸術に関する誤解を表しているかもしれない。
優れたバッティングを「職人芸」と呼ぶこともあるが、これは正しいと思う。イチローのバッティングも芸術的というより優れた職人芸である。
芸術の価値は、「優れている」「磨き抜かれている」とは根本的には無関係である。
例えば、打率が低く、プロで通用しないバッターのバッティングの中にも芸術的なものがあるかもしれない。
歴史的な画家の中にも、決して上手くはない画家も少なからずいる。岡本太郎が絶賛した縄文式土器や古代の壁画も、決して長く厳しい修行をした者が作ったわけではないだろう。
写真のように実物そっくりな絵は職人芸であり、芸術技ではない。
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